大事なハミガキの力加減の話
歯と歯ぐきの境目をブラッシングする際は、強く磨いてはいけません。どうしてなのでしょうか?ズバリ
歯ぐきが下がる
から。


なぜかというとそれは、強く磨くとその部分の歯ぐきが貧血を起こすからなんです。
強く当てた部分の血液の量が減り、細胞の数が減り。。。すると歯ぐきのボリュームが小さくなる。で、歯ぐきが下がってしまうんです。
歯ぐきが下がるとどうなるか?
本来、歯ぐきに覆われていた歯根の部分が出てきてしまいます。
そこは表面がセメント質といってザラついてるんです。
見えているエナメル質より少し黄色くやわらかい部分ですね。
セメント質は薄いのですぐ内側の象牙質が露出することになります。
いったん歯根が出てしまうと、もう元の状態には戻れません。
歯が長くみえるようになってしまいますし知覚過敏をおこしたり、虫歯になりやすくなったりするんですね。
→オーバーブラッシングもご覧ください。
唾液の成分により修復されますが、強く磨いたりハミガキ粉をたくさんつけて磨いたりすると、また元に戻ってしまいます。

知覚過敏が生じた場合は、歯科医院でしみる部分をコーティングしてもらい、歯ブラシ圧を確認してもらうのがお勧めです。
知覚過敏の原因は、歯ぎしりやくいしばりによるものも多いのです。
→歯ぎしり&くいしばりをご覧ください。
強く磨いても歯ぐきが下がらない人がいます。そういう人は、歯ぐきの厚みがあったり、繊維性の硬い歯ぐきの人だったりするのです。
ただ、日本人には歯を支える骨と歯ぐきが薄い人が多いので、ほとんどの人は強く磨かない方がいいのです。
では、実際どれくらいの力で磨くのが良いのでしょうか?
歯科の雑誌やいろいろな研修会で聞くところによると、ハブラシ圧についてはさまざまな意見がありますね。
ある有名な先生は30gの力がいいと言います。
100gだと歯ぐきが退縮すると。
100gだと歯ぐきが退縮すると。
別のある有名な先生は200gの力がいいと言います。
歯ぐきが活性化されると。
歯ぐきが活性化されると。
さて、どちらを選びましょうか?!
でもまあいちばん多い意見は100g前後でしょうかね。
(キッチンスケールに歯ブラシをあてて100gの力を確認してみてください。なんとなくわかります。)
何にでも個人差がありますよね。
私はその人の歯ぐきの下がり具合や、歯の削れ具合、歯周病の進行具合などをみて一番いいと思う力加減を提案しています。
だいたい50〜100gを意識して、ブラッシング指導の際は実際に歯ブラシを患者さんの歯と歯ぐきの境目に当てて「これくらいですね。」とやってみせます。
すると、ほとんどの人が、「今まで磨いていた力とぜんぜん違うもっと力を入れて磨いていました。」とおっしゃいます。
歯ブラシの硬さも歯ぐきが厚く硬い人以外は普通〜やや柔らかめがベストですよ。
硬い歯ブラシがあったらキッチンやお風呂のお掃除用にしてくださいってお願いしています。


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