歯周病は生活習慣病
歯科衛生士になりたての頃は、一所懸命になりすぎて 患者さんに要求することがとても多かったように思います。
特に重度の歯周病の方に対しては、その悪影響を説明し、なかば脅かすようなことを言ってまで歯みがきをきちんとしてもらおうとしていました。
「今はこんな状態ですから、このままだと大変なことになりますよ。」なんて。
しかし、それは何の解決にもなりませんでした。
何でこれだけ説明しているのに磨いてくれないんだろう?と悩み考えました。
生活習慣を変えることは並大抵のことではありませんよね。
子どもの頃から1日1回しか磨かなかった人が急に2回も磨くなんて簡単なことではありません。
お酒を飲んで歯みがきせずに寝てしまう。。。
甘い物をつい食べすぎてしまう。。。
煙草も健康に悪いのは知っているけどやめられない。。。
なかなか変えられないことです。
これらは、どれも歯周病にとってあまりよくないことです。
歯周病は生活習慣病ともいわれているのは、そうした所以です。
人は順風の時ばかりではなく、生活環境が変わったり、病気になったり、家族に心配事があったりして。。。
時には寝る間も休む間もなかったり。。。
「歯」どころではないこともあります。
そういう方に、ここが磨けていないあそこが磨けていないといったところで、それどころではないというのが本音でしょう。
今は、たとえ充分に磨けていなくても、来院していただけたことに感謝をして、足りないところを補うくらいのつもりで診療にあたっています。
そうすると、こちらも患者さんも共に気分良くいられます。
また来ようと思っていただけることが何よりなのです。
状態が良くない歯に関しては、その歯の大切さを確認し一緒に残す努力をしていきます。
改善された部分に関しては、努力の労をねぎらい共に喜びます。
歯ぐきは、磨き方しだいで劇的に変わるので、引き締まり綺麗な色になった歯ぐきを見ると本当に嬉しくなるんです。
つい先日、いつも定期的にメインテナンスに来てくださる患者さんが、
「本当に、自分じゃ悪いところがわからないから、助かります。ありがたいです」とおっしゃってくださいました。
私が「そうなんですよね、歯周病は痛みとかがないですからね。本当はそこらへんにいるみなさんを診てさしあげられたらいいんですけどね。」というと、
その方は「選ばれた人だけがここに来られるんですよ」とおっしゃいました。
うれしかったのですが、でも。。。ちょっと複雑な気持ちでした。
まだお会いしていない方々の中にもこの方のようにとても良い人がいて、何も知らずに(気づかずに)歯周病が進行し、そのことで苦労されていくと考えると。。。
ちょっとしたことを知らないだけで、本当ならば防げるものも防げずに、失っていくものがあるということを知ってほしい。
やはり皆さんに早く気づいていただき、悪いところがあれば早目に治していつまでも快適に過ごしてほしいと思いますね。
すべては口から始まります。口は全てと繋がっているのです。
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