歯周病に効く歯磨き粉って本当?
ドラッグストアへ行くと、歯周病に効くというデンタルペーストやデンタルリンスが数多く並んでいます。
それらは本当に歯周病を予防してくれるのでしょうか?
薬用成分表には、歯ぐきの腫れ出血を防ぐトラネキサム酸、歯茎を引きしめる塩下ナトリウム、血行を良くするビタミンA、原因菌を殺菌し口臭を防ぐIPMPなどなど
歯周病に効果がありそうな成分がたくさん含まれているように見えますね。
確かにそれらを使い意識をして歯を磨くことには効果があります。
軽度の歯周病でしたら、ある程度はそれで改善されるかもしれません。
しかし、中程度~重度の歯周病では絶対にデンタルペーストやデンタルリンスだけでは改善されることはありませんよ。
このあいだ来院された50代の患者さんの話を紹介しますね。
初めて歯のぐらつきを感じたその方は(歯医者が大嫌い…なので歯科医院には行かずさっそく、その歯周病用デンタルペーストを求め薬局へと足を運びました。
それをせっせと使い数ヵ月経ったある日その歯は急速に歯周病が進み…
ようやく歯科医院を訪れたときには、もう歯を支える骨がほとんどなくなっていて抜歯となってしまったんです。
その歯のみならず隣の歯もとても危ない状態でしたよ。
歯周病の原因、今のお口全体の状態、正しい歯の磨き方、歯周ポケット内のクリーニング等のお話をし、その後5~6回の通院で歯周病は安定いたしました。
「いや~、もっと早く来れば良かったよ」と後悔されていましたよ。
このようなセリフを今までに何回聞いたことでしょう。
歯周病の予防そして治療のところでも紹介してありますが、
大切なことはブラッシングでプラークをいかに磨き残すことなく除去するかであり、
深くなってしまった歯周ポケットに対しては機械的クリーニングが必要なんです。
歯周ポケット内のプラークや歯石の表面に、薬をいくらかけても取り除けるものではありませんよ。
食器に残った食べ物をそのままに、洗剤をふりかけているようなものです!
口腔内に浮遊する細菌を一時的に減らすには有効かもしれませんが、歯周病は決して薬で簡単に治るものではありませんのでくれぐれも気をつけてくださいね。
« 予防歯科との出会い〜認定歯科衛生士になるまで | トップページ | 食後の歯磨きのタイミング »
「7.歯科コラム」カテゴリの記事
- 新型コロナに感染してしまいました。(2023.09.18)
- 「あなた、歯周病ですよ」(2022.09.30)
- コロナワクチン接種後の抜歯には注意!(2022.03.07)
- 『得する医療費』治療費を減らすための予防歯科(2020.10.28)
コメント