« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »

2013年10月の3件の記事

2013年10月29日 (火)

本当のPMTC

51aatugbcl__ss500_

ペール・アクセルソン著 『本当のPMTC 』 

PMTCはスウェーデンの歯科ペール・アクセルソン教授が提唱した予防歯科医療の施術です。

PMTCとは Professional Mechanical Tooth Cleaninngの略で、専門家による歯の機械的清掃という意味です。

しかし、それは単に歯の表面についた色素やプラークを取り、磨き上げることではありません

本当のPMTCとはキーリスクの歯のキーリスクの歯面を専門の器具を使用しクリーニングすること”です。

キーリスクとは患者さんが“磨き残し”をしてしまう、もしくは“磨きにくい”場所を言います。

キーリスクの場所=リスク部位とも言います。

リスク部位は一人ひとり異なります。

歯の形、歯並び、歯ぐきの下がり具合、さまざまな治療をした歯、利き手なども考慮しますね。

クリーニングは歯や歯ぐきを傷つけないように丁寧に行います。

クリーニングの道具は、超音波のスケーラーや手用スケーラー、研磨ペースト、ポリッシングブラシ、ラバーカップ、ハブラシ、フロス、染め出し液などその人に合わせて使い分けています。

Climg3

エアフローといって超微粒子パウダーを吹きつけて、歯の表面や歯周ポケット内をクリーニングするものもあり、最近はこれを使うことも多いですよ。

“染め出し”は磨き残しのプラークを赤く染め出すのですが、歯ぐきに炎症がある場合は、まずそれを確認していただきます。

染め出しをしてしまうと歯ぐきも赤く染まってしまい、歯ぐきの炎症状態がよくわからなくなってしまうからなんです。

 

PMTCで大切なことは、無駄に歯を傷つけないということですね。

汚れが付いていないつやのある歯面へは研磨剤入りのペーストを使わない方が良い場合もあります。

全歯面を同じように扱うのではなく、部位や汚れの付着の状況に合わせてクリーニングを行うことが大切なのです。

アクセルソン先生の最後の来日公演(2011年5月東京 港区)でのご講話です。

『PMTCはニーズに応じて選択的に行うべきであり、リスクのない歯面に行う必要はない。』

『本当のPMTCを実践することで、虫歯も歯周病もない社会が実現できる。』

『力を注ぐべきリスク部位を確実に捉え、そこを徹底的にクリーニングする歯科衛生士が増えれば、必ず実現できる未来です。』と話されました。

素敵な先生たちでもアクセルソン先生ののいいお話を紹介していますのでご覧ください。

本当のPMTCを継続して行うならば、始めるのが20代からでも60代からでも、同じように歯を守ることができるのですよ。

これからは、虫歯ができて歯科医院に通うのではなく、PMTCを受けにメインテナンスに通われてはいかがでしょうか!   

                                                                                         

 

コメントもいただけると大変嬉しく励みになります。

2013年10月24日 (木)

唾液を出すメリットとは

E146_iceteatoraimunojinjya_tp_v1

唾液には、消化・吸収を助ける、抗菌作用、食べ物を飲み込みやすくする、口の中を清潔に保つ、話しやすくする、歯の再石灰化を行う、歯周組織の健康を保つ等とても重要な働きがあります。

唾液量が少なくなる原因として、緊張やストレス・薬の副作用・加齢・口呼吸などがあげられます。

唾液が普通に出る人は問題ないのですが、あまり出ないと、虫歯になりやすく、口臭が出やすかったり、歯周病や消化器系の疾患にかかりやすかったりもします。

そこで唾液が少ないと感じる方は、簡単な舌の体操をされると良いと思います。

暇なときに、1日1回でも2回でもやってみてくださいね。

では、まず。。。

●舌先で頬の内側を押すような感じで左右に押し当てます。

●次に舌先を上下の唇の裏側にも押し当てますね。

●さらに舌先で頬の内側を円を描くように何周かさせましょう。

●最後に舌を前に思いっきり出して左右に動かします。

いかがですか?ちょっと口の中が潤ってきましたでしょうか?

さらに唾液腺のマッサージを行うのもおすすめですよ。

Daekisen1

耳下腺は中三本指で、舌下腺・顎下腺は親指の腹で、軽く押すか円を描くようにマッサージします。

こちらもいかがですか?少し口の中が潤ってきたでしょうか?

体操やマッサージであまり効果が見られない場合は、歯科大付属の口腔外科またはドラ

イマウス外来を受診されるか、耳鼻咽喉科や内科を受診されて唾液分泌を促す薬を処方

していただくと良いでしょう。 

 

コメントもいただけると大変嬉しく励みになります。

2013年10月 6日 (日)

食後の歯磨きのタイミング


Ppo_ichigonifoku_tp_v1

本当はどっち?歯を磨くタイミング!

これまで「食後はなるべく早く歯を磨いた方が虫歯予防には良い」と言われてきました。

しかし2年程前にTVで紹介されていたのは、それとは全く逆で「食後すぐに歯を磨いてはいけない」というものでした

  • 食事には、酸性のものが多く含まれている。
  • 象牙質は酸に弱く、食事の直後は「軟らかく」なっている。
  • そこを歯ブラシでゴシゴシこすると、削れてしまう可能性がある。
  • 食後少し時間をおくと、唾液が酸を中和し、象牙質はカルシウムを供給され硬さを取り戻す。目安はおよそ1時間。

このように言われると「なるほど~!」と思わずにいられません。

果たしてこれは本当でしょうか?


その答えは、実は「場合による」のです。

人それぞれ口の中の環境は違います。大きく分けて4タイプあります。

1.虫歯(カリエス)リスクの高い人
2.歯周病リスクの高い人
3.両方のリスクが高い人
4.両方のリスクが低い人    

これらは、歯の質、唾液の質と量、生活習慣(食習慣やブラッシング習慣)、健康状態などにより決まります。

それぞれのタイプの歯磨きのタイミングは?

1. カリエスリスクの高い人

カリエスリスクの高い人とは、虫歯(初期虫歯も含む)がたくさんある人、またはすでに治療をした歯がたくさんある人のことです。

虫歯の多さは、唾液の量や性質が優れていないことによる結果であると充分に考えられるのです。

そのような口の環境で30分間ブラッシングしないと歯は脱灰されるままになり、唾液による再石灰化もままならないとなると、新しい虫歯や二次カリエスが増えてしまうことが心配されます。(脱灰・再石灰化については下記参照)

ですので、カリエスリスクの高い人は、食後は洗口や水を飲むことにより口の中を早めに中性に戻してあげて、フロスなどで歯と歯の間のお掃除をし、歯磨き粉をつけずにやさしくブラッシングをされると良いでしょう。

強い力でゴシゴシ磨かなくても1日以内ならばプラークは落とせますよ。

2. 歯周病のリスクが高い人

虫歯の少ない人でしたら、歯磨きは食事から30分後でも1時間後でもいいと思います。

歯周病予防には、少なくとも1日1回は丁寧なブラッシングを行うことが重要です。

ただし、朝と夜の2回は歯磨きをされることをおすすめします。

起床時は、一番お口の中の細菌数が多い状態です。就寝中は唾液がほとんど出ないので細菌が増えやすいのです。

なので就寝前、細菌が増殖する元となるプラークをできるだけ少なくしておきたいのです。

3. 虫歯、歯周病両方のリスクが高い人

毎食後に早目の洗口かブラッシングを行ってください。内1回はより丁寧なブラッシング心がけていただきたいと思います。

4. 虫歯、歯周病両方のリスクが低い人

朝食後(すぐでも30分後でもどちらでも)と、夕食後か就寝前の1日2回のブラッシングを。


脱灰とは・再石灰化とは

歯垢(プラーク)中のphは、食後5~10分で急激に低下(=酸性になる)、その後30~60分かけてゆっくり回復してきます。

なので「phが低下する前である食後3~5分以内に歯磨きをする」のが、虫歯予防には理想であるといわれてきました。これは酸を産生する細菌を取り除くとともに、その栄養分となる食品中の糖を取り除くことを目的としています。

ステファンカーブという有名なグラフがあります。砂糖水でうがいをした時の歯垢中のphを表したものです。

Stephan

口の中は普段、ph6.8でほぼ中性です。飲食後、細菌が食物中の糖分を分解し酸を出すことにより、2~3分でph4.5~5.5くらいの酸性になってしまいます。

口の中が酸性になることによって歯の成分のカルシウムやリンが溶け出すことを、脱灰といいますね。エナメル質は、ph5.5で溶け出します。

歯が溶ける時間帯がしばらく続き、20分後くらいからphが回復していきます。元のphに戻る(再石灰化)には、30~40分かかるのです。

時間の幅は、食品中の糖分や粘着度の違いによります。糖分が多いほどphの低下は急になり、歯にくっつきやすいものほど長く低下が続くんですね。


ここでもうひとつ、酸蝕症というものがあります。

清涼飲料水、スポーツドリンク、ワイン、酢、レモンやみかんなどの柑橘類を多く取ることにより歯が侵食される(溶ける)ことをいいます。そして歯に穴が開いたり、しみたりなどの症状が出てくるんですね。

確かに、これらを摂ったすぐ後にゴシゴシ強い力でブラッシングすると、歯は削れてしまいます。

ですので酸性度の高い飲食物を摂った後は、うがいをするか水やお茶を飲む、歯の間にはさまった柑橘類などはフロスを通して取り除くと良いでしょう。

この場合、歯磨きは30分以上経ってから行うと良いと思います。

冒頭で述べたTVの内容は、この酸蝕症の実験に基づいたものでした。

酸性炭酸飲料に90秒間浸しておいた象牙質歯片を口の中に入れて、異なったタイミングでブラッシングを行ったところ、

  • 30分経たずに歯を磨いた人の象牙質は腐食(侵食?)が確認された。特に、20分以内に磨いた人の腐食は著しく増加していた。
  • 30分もしくは1時間経過してから磨いた人たちには、ほとんど腐食がみられなかった。

これは、予め脆くした歯を、

  • 唾液の成分で修復(再石灰化)されてから磨く
       → 歯にダメージはない。
  • 再石灰化されていない状態で歯を磨く
       → 歯にダメージがある。

というもので、なんだかあたりまえの実験のような気がしました。

エナメル質が著しく溶けている酸蝕症の方には、
食品の酸のとりすぎで歯が溶けること、
食後はうがいをするか、水を飲むこと、
歯磨きは暫く経ってから行うこと等を指導してきました。

しかし、極端な酸蝕症の人以外は、柑橘類や炭酸飲料を飲食したとしても、ある程度は唾液で中和され、すぐに歯が溶け出すことはないので、それほど心配しなくても大丈夫なのです。


私がいつも患者さんにおすすめしている歯ブラシです。
毛が優しくて隙間にも奥歯にもとても使いやすくおすすめです!


メール便【送料無料】【色指定可】ルシェロ歯ブラシ P-20 S ピセラ 1本

 

価格:290円
(2014/3/2 21:06時点)
感想(10件)

コメントもいただけると大変嬉しく励みになります。

« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »

フォト

記事一覧

関連ブログ

無料ブログはココログ