本当のPMTC
PMTCはスウェーデンの歯科ペール・アクセルソン教授が提唱した予防歯科医療の施術です。
PMTCとは Professional Mechanical Tooth Cleaninngの略で、専門家による歯の機械的清掃という意味です。
しかし、それは単に歯の表面についた色素やプラークを取り、磨き上げることではありません。
本当のPMTCとは“キーリスクの歯のキーリスクの歯面を専門の器具を使用しクリーニングすること”です。
キーリスクとは患者さんが“磨き残し”をしてしまう、もしくは“磨きにくい”場所を言います。
キーリスクの場所=リスク部位とも言います。
リスク部位は一人ひとり異なります。
歯の形、歯並び、歯ぐきの下がり具合、さまざまな治療をした歯、利き手なども考慮しますね。
クリーニングは歯や歯ぐきを傷つけないように丁寧に行います。
クリーニングの道具は、超音波のスケーラーや手用スケーラー、研磨ペースト、ポリッシングブラシ、ラバーカップ、ハブラシ、フロス、染め出し液などその人に合わせて使い分けています。
エアフローといって超微粒子パウダーを吹きつけて、歯の表面や歯周ポケット内をクリーニングするものもあり、最近はこれを使うことも多いですよ。
“染め出し”は磨き残しのプラークを赤く染め出すのですが、歯ぐきに炎症がある場合は、まずそれを確認していただきます。
染め出しをしてしまうと歯ぐきも赤く染まってしまい、歯ぐきの炎症状態がよくわからなくなってしまうからなんです。
PMTCで大切なことは、無駄に歯を傷つけないということですね。
汚れが付いていないつやのある歯面へは研磨剤入りのペーストを使わない方が良い場合もあります。
全歯面を同じように扱うのではなく、部位や汚れの付着の状況に合わせてクリーニングを行うことが大切なのです。
アクセルソン先生の最後の来日公演(2011年5月東京 港区)でのご講話です。
『PMTCはニーズに応じて選択的に行うべきであり、リスクのない歯面に行う必要はない。』
『本当のPMTCを実践することで、虫歯も歯周病もない社会が実現できる。』
『力を注ぐべきリスク部位を確実に捉え、そこを徹底的にクリーニングする歯科衛生士が増えれば、必ず実現できる未来です。』と話されました。
→素敵な先生たちでもアクセルソン先生ののいいお話を紹介していますのでご覧ください。
本当のPMTCを継続して行うならば、始めるのが20代からでも60代からでも、同じように歯を守ることができるのですよ。
これからは、虫歯ができて歯科医院に通うのではなく、PMTCを受けにメインテナンスに通われてはいかがでしょうか!
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