歯周病の治療|再評価後の処置
歯周病の初期治療は、
- 歯周検査
- ブラッシング(正しい歯みがき)
- スケーリング・ルートプレーニング/SRP(歯根周りのクリーニング)
- 再評価(再歯周検査)
といった順で行います。
→歯周病の治療もご覧ください。
再評価は、SRPを行ってから約1ヵ月後に行います。
→SRP時の出血を患者さんにどう説明するか?
…SRPを行うにあたって気をつけたいこと。
この再評価の結果をもとに、歯周ポケットが改善されていない部分に対しての処置を考えるのです。
ここでの改善された状態とは、歯周ポケットが3mm以下で検査時に出血と排膿がないことをいいます。
歯周ポケットが改善されない原因はさまざまあります。
○ブラッシングの不充分さ
○深いポケット(歯石の沈着)
○高度な骨吸収
○歯根面のカリエス(虫歯)
○歯根のひび、破切
○ブラキシズム(歯ぎしりやくいしばり)
○咬合性外傷(悪い噛み合わせによりおこる歯周組織の破壊)
○不適合なかぶせ物
これらの原因及び歯の状態に応じ、次のような処置を行うのです。
再ブラッシング指導
磨けていないことで改善されないときは、ブラッシングの再指導を行います。
それに加えて、プラークコントロールの重要性を充分に理解していただけなかった場合にも、再度その重要性を説明させていただいています。
再スケーリング・ルートプレーニング(再SRP)
再度SRPを行うことで改善が見込まれる場合は、再SRPを行います。
例えば初回のSRPの時に歯石の付着が多量だった場合などがあります。
歯周外科処置
再SRPでは良くはならないな、というときには外科処置をします。
歯周外科処置にはさまざまな方法がありますが、一番良く行われている方法、フラップオペレーションを紹介します。
深い歯周ポケット(主に5mm以上)がある場合、歯ぐきを切開して目視下で歯根面に付いた歯石などを取り除きます。これは、SRPをより確実に行うようなやり方とも言えます。
必要な場合は骨の形態修正なども行いますよ。
さらに+αとして再生療法を行うこともあります。(→根分岐部病変の外科処置をご覧ください)
「歯ぐきを切って開いて」と聞くとなんだか怖い、痛そう、と思われる患者さんがほとんどですね。しかし、ある程度進行してしまった中程度~重度の歯周病を改善させるには有効な手段なので、先生ともよく相談されてフラップオペレーションをされると良いと思います。
経過観察・メインテナンス
歯周外科処置は中程度~重度の歯周病に対して、より確実な治療方法なのですが、どうしてもそんな手術は受けたくないという方もいらっしゃいます。
それ以外にも年齢や手の器用さ、全身疾患などを考慮して、外科処置をせず、そのまま定期検診で様子を見ていくこともあります。4mm以上の歯周ポケットが残ってしまった場合でも、経過観察のみということもあります。
その場合は、2~3ヵ月ごとのメインテナンスで歯周ポケット内のクリーニングを行っています。これは歯周ポケット内の細菌数を減らし炎症の軽減を図るものです。歯周病の進行を防ぐのです。
このような処置では、例えば6mmのポケットが何年も6mmのままということもよくあります。
ただし、何もしなければ確実に6mmが7mm、8mmと深くなります。さらに10mm以上になって抜歯となってしまうこともありますよ。
歯周ポケットは浅いに越したことはありませんが、たとえ1~2ヶ所に6mmのポケットを有しても出血や排膿がなく、痛みも腫れもなく、物を噛む際に不自由がなければ、このような方法もあるのです。
しかしながら、やっぱり歯周ポケットは深くしないのが何よりですよね!
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