80歳で20本を目指す8020運動
先日、一人暮らしの76歳の女性のお口を拝見しました。使っている入れ歯の調子が悪くて「新しい入れ歯を作りたい。」と来院されました。
入れ歯以外の治療は希望されなかったのですが、先生から「歯ぐきのチェックをお願いします。」と頼まれました。
拝見しますと、上は総入れ歯、下は部分入れ歯の前歯6本だけが残っていました。歯ぐきは赤く腫れて、歯石も沢山ついている状態。
私は歯周ポケット検査とブラッシング指導を行いました。
歯の裏側に歯石が付いていて歯間ブラシが通らなかったので、歯石を取り歯間ブラシも使っていただくことにしました。
使うのは初めてということで、私の説明をとても熱心に聞かれていました。
ブラッシング指導が終わると「今まで歯の磨き方なんて教えてもらったことなかったです。」とポツリとおっしゃいました。
こうなるまでに何軒もの歯科医院を訪れたことでしょう。そのどこかで、もし適切な歯周治療、ブラッシング指導や生活指導等を受けられていたならば、もっとご自身の歯が残っていたはずです。
歯の治療のためにかかった時間と・費用と・失った歯のことを思うと何ともいえないせつない気持ちになってしまいました。
8020という運動はご存知ですか?80歳で20本の歯を目指しましょうというものです。
しかし、8007~8010(80歳で7~10本の歯が残っている)というのが現状なんです。8020を達成している方は全体の20%程度とのことです。
(※平成28年に8020は50%に増加しました。皆さんの意識が高まってきたのですね!)
私がメインテナンスをさせていただいている方の中に8028(全ての歯がある)を達成されている方が3~4人いらっしゃいます。
20代、30代遅くても40代からきちんとケアをしていけば8026くらいは不可能ではないと思うのです。
歯医者が怖い(歯科恐怖症)の克服方法。歯医者を選ぶ際のポイント、予約電話のコツも紹介。
過去に受けた治療がトラウマになっている方必見です。
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