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2014年2月 4日 (火)

素敵な先生たち Part2

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目黒区歯科医師会主催の下野正基先生の講演会に行ってきました。
(2014.1.29 日歯会館 目黒区にて…自宅から自転車で5分位の場所です。)

演題は「治癒の病理―臨床の疑問に基礎が答える」です。

講師の下野先生は東京歯科大学の病理学の名誉教授で、著書も多数出版されている著名な先生です。

病理学というと何か難しそうなイメージがありましたが、講演の内容はとても興味深く、先生の歯科医療に対する情熱がひしひしと感じられ、いつまでも聞いていたいと思うほどで2時間があっという間に過ぎました。

内容は主に歯周治療後の理想的な治癒形態ということで上皮性付着SRPや歯周外科後に生じる付着で、歯根面と歯肉内面がくっついている状態)を病理学的に説明してくださいました。
以前はそれ(上皮性付着)は緩やかな付着と考えられ、望ましくない治癒形態であると考えられていました。
しかし、これは結構強固な付着であり、さらに結合組織性付着に置き換わることもあるということがわかったそうです。
(結合組織性付着とは、歯根膜繊維で歯根面と歯槽骨とを強固に結び付けている状態のこと。)

実験では「長い付着上皮による上皮性付着は、安定した治癒形態である。」という結論が導き出されたのです。

そうなると、歯周基本治療をまかされる歯科衛生士の役割はとても重要なものとなります。
歯周外科処置に移行せず、歯周組織を安定した状態に導くことができるのは歯科衛生士の努力にかかっいているのです。

歯科衛生士の努力とは、患者さんとの信頼関係を築き、ブラッシング指導とその動機づけの確立、SRPの技術、継続したメインテナンス等々。
もちろん患者さんの努力にもかかっていますけどね。

私も以前はスケーリング、ルートプレーニングSRPを行う患者さんに対してこんなことを言っていました。
「歯石を取った後の歯根面と健康になった歯周ポケット内面がくっつこうとします。しかし、それは元の歯根膜繊維での硬い結合ではなく、ガラスにかたつむりがくっついたような付着なので、磨けていなかったり、歯ぎしりや食いしばりが強かったりすると剥がれてしまうこともあります。」なんていう説明をしていました。)
今はそこまで詳しくお話していませんが…。(聞かれたら答えようかな~なんて。)
でも、これからもし患者さんが質問してくださったら、下野先生のお話を頭に入れ、きちんと説明し共に歯周治療を頑張っていきましょうとお伝えするつもりです。

その会場には歯根破切治療(折れた歯根を治療する。普通は歯根が折れると抜歯になる。)のスペシャリストで、自由が丘で開業されている眞坂先生という方がいらっしゃいました。
接着治療のパイオニア→眞坂歯科医院

その眞坂先生の4METAレジン((スーパーボンド):強力な接着剤)を使用した歯周外科パック(歯周外科治療をした後の歯と歯茎との固定)応用の実験結果を紹介してくださいました。

先生は歯周治療成功の鍵は歯と歯肉との密封性ではないか?とお考えになりました。
結果は……歯周外科の縫合に4METAレジンを応用すると、創面の完全な封鎖が得られることが実験で確かめられたのでした。実験をされたのは下野先生です!

眞坂先生の臨床の場において、いつも何かいい方法はないか?もっと優れた方法はないか?と追求されるその姿勢にとても尊敬をいたしました。
私は歯科衛生士として歯周病予防に対し、これからもっと努力していかなければと気持ちを新たにしました。


下野先生は趣味で山登りをされていることなどもスライドで紹介してくださいました。
その一枚に山に咲く広大な色とりどりの花々の写真があり、とても綺麗で素敵な風景が印象的でした。
山登りなどめったにしない(学校の遠足のみ、それも大昔)私にとって、私もいつか山登りがしたいと思わせてくれる一枚でした。

65歳まで年に5回も山登りをされていたそうで、今でもとても若々しく溌剌としてらっしゃり、
これからのご活躍をますます期待させていただきたい、もっといろいろなことを教えていただきたいと心から思いました。

 


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