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2014年8月の2件の記事

2014年8月31日 (日)

若年性歯周炎にストップをかける!後編

私が最初に勤めた歯科医院では、こんな方がいらっしゃいました。

20代後半のとても清楚な方で、全顎的に重度の歯周病で来院されました。

近くの歯医者に「全部抜いて、総入れ歯です。」と言われ、大変ショックを受け、いろいろ調べて他県からわざわざ来院されたのです。
この方は日々のブラッシングと数回の治療により、なんとか1本も抜かずに保存することができました。
→詳しくは歯科衛生士をご覧ください。

 

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さらに4年程前にも「歯を磨くと血が出る」を主訴に、20代前半の綺麗な女性が来院されました。
いつも思うのですが、侵襲性歯周炎では、歯周ポケット検査時の出血が、ちょっと普通の人と違っていて、じんわりにじみ出る感じでなく、「たら~」という感じでかなり出血量が多いのです。
彼女は「母が40代で総入れ歯になりました。私もそうなるのではと怖くて怖くてすごく心配なんです。」とおっしゃっていました。

確かに、部分的に歯周病は進行していましたが、まだ1割程度で1本も抜いている歯はなく、「今から気をつければ大丈夫ですよ。入れ歯になんかなりませんよ。」というと、とてもホッとした様子をされていました。

実際、歯周病の初期治療 を終えると、歯周組織は健康な状態に改善しました。
(この方へは、スケーリング.ルートプレーニングと同時に、抗菌療法も併用しました。)

 

このように、早い時期に気がついて適切な処置を施せば、決して怖がることはありません。
治療は通常の歯周病の治療とほぼ一緒です。
付け加えるとすれば、特異的な菌に対して、抗菌療法を行うことです。

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抗菌療法とはアジスロマイシン(商品名ジスロマック)などの抗生物質を服用する。(1日1回、3日間服用)というものです。
ただし、抗菌剤が有効だからといってむやみに用いるのは危険です。
耐性菌を作り出すことにつながるからです。

初期治療のみで歯周病が改善された方には、抗菌剤は必要ありません。

しかし、通常の歯周炎と違い、侵襲性歯周炎では歯周ポケット内だけでなく歯肉の中の方にまで細菌が侵入してしまっているために抗菌剤が必要になってくるのです。
(ただし、この抗菌療法だけでは一旦は良くなったようにみえますが、完治することはありません。念のため。)

インターネットで調べると、ジスロマックやそのジェネリックでAzee(アジー)という商品が誰でも簡単に買えてしまいます。
歯周病に悩む方も、一旦は症状が良くなるので気軽に服用しているようなのです。

しかし、根本の原因を除去していなく、対処療法でしかありません。
抗生物質をそのように多用することは本当に危険なことなので、やめてもらいたいと願っています。
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ちなみに、侵襲性歯周炎についてもっと詳しく調べたい方は、
日本歯周病学会 侵襲性歯周炎 というワードで検索し
優秀臨床ポスター賞/日本歯周病学会 をクリックするといろいろな症例を見ることができますよ。
ちょっと専門用語ばかりで読みづらいかもしれませんが、写真と表だけでも見てみてください。

 

初診時メインテナンス時の歯周ポケット検査表が必ずあるんです。
それを見ると改善されている様子がわかると思います。

上の表にあって、下の表にない部分は歯を抜いたところです。
(骨吸収が高度で抜かざるをえない歯は、抜歯することになります。)

歯周ポッケットの数字が小さいと改善された状態です。
1・2・3という数字が多ければvery good

お近くの良いドクターが見つかるかもしれません

歯が全てグラグラでどうしようもない。という人以外は、「全て抜いて総入れ歯ですね。」なんて言う歯医者には絶対に通い続けてはいけません。

「もしかしたら何本かは抜かないといけないかもしれませんが、なるべく抜かないようにお互い頑張りましょう。」と言ってくれる歯医者さんを探してくださいね。
早めに受診し、進行させないようにするのが何よりですよ。

前編を読む

 

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そういえば、最近こんなサイトを見つけました。
病院の口コミサイト 
評判の良い病院探しに見てみて下さい。 


サンポート歯科 さんのような良い口コミはとても嬉しいですね。
いい先生、親切なスタッフのもと治療を受けたいものですね。

若年性歯周炎にストップをかける!前編

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若年性歯周炎は、正式には侵襲性歯周炎といいます。
10代、20代の若い年齢で発症する歯周病です。
通常、歯周病が重症になるのは、ある程度年齢がいってから(30代後半以降)なのですが、若年性歯周炎は若いうちから歯周炎になり、一旦発症すると急速に進行していくのが特徴です。
歯周ポケット内の細菌を検査すると、歯周病菌の中でもA.a菌(アクチノバシラス.アクチノマイセテムコミタンス)や、P.g菌(ポルフィロモナス.ジンジバリス)が比較的多く存在します。
罹患率は0.05~0.1%とされています。

 

前歯第一大臼歯に限局的に著しい骨吸収がみられることがあります。(限局的侵襲性歯周炎)

 

実はこれ何で前歯と第一大臼歯なんだろう?とずっと思ってたんですよね~(゚ー゚;
今から4~5年前の臨床歯周病学会の講演会でその謎が解けました。
歯周病治療の権威で著名な、二階堂雅彦先生の講演で教えていただきました。
「なんで第一大臼歯と前歯かわかりますか?」
「それはね~、最初に生えた永久歯だからですよ!」
。。。なんだ、そうだったのかー。そんな単純な理由だったんだ!(・oノ)ノ
さらに調べると、こんなこともわかりました。

永久歯で最初に萌出するのは前歯と第一大臼歯ですが、これらの歯が生えるころは、まだ人体にA.a菌に対する抗体の量が十分でないために、周囲組織はたやすく破壊されてしまう。
しかし、他の歯が生えるころには抗体の量も増え、罹患を免れる。ということなのです。
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侵襲性歯周炎は、
家族の中に同じような症状で過去に歯を失った人がいる。
両親どちらかが早い時期に総義歯(そうぎし)になっているなど、遺伝的素因がみられます。
さらに、広汎型(こうはんがた)侵襲性歯周炎といい、
これは第一大臼歯や前歯以外でも骨吸収が進行し、歯周病が広い範囲にわたっている状態をいいます。(3割を超えると広汎型といわれます。)

私が約20年前に勤めていた歯科医院に、30代前半の美しい女性が来院されていました。
しかし、彼女は歯が1本も無く、上下とも総義歯(入れ歯)でした。
全身的にはとても健康で、特別これといった既往歴もありません。
義歯の調整に度々来院されていました。

虫歯で歯を抜くにしても数本なので、このように全ての歯を失う原因は、重度の歯周病と思われます。

後編につづく

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