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2014年8月31日 (日)

若年性歯周炎にストップをかける!前編

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若年性歯周炎は、正式には侵襲性歯周炎といいます。
10代、20代の若い年齢で発症する歯周病です。
通常、歯周病が重症になるのは、ある程度年齢がいってから(30代後半以降)なのですが、若年性歯周炎は若いうちから歯周炎になり、一旦発症すると急速に進行していくのが特徴です。
歯周ポケット内の細菌を検査すると、歯周病菌の中でもA.a菌(アクチノバシラス.アクチノマイセテムコミタンス)や、P.g菌(ポルフィロモナス.ジンジバリス)が比較的多く存在します。
罹患率は0.05~0.1%とされています。

 

前歯第一大臼歯に限局的に著しい骨吸収がみられることがあります。(限局的侵襲性歯周炎)

 

実はこれ何で前歯と第一大臼歯なんだろう?とずっと思ってたんですよね~(゚ー゚;
今から4~5年前の臨床歯周病学会の講演会でその謎が解けました。
歯周病治療の権威で著名な、二階堂雅彦先生の講演で教えていただきました。
「なんで第一大臼歯と前歯かわかりますか?」
「それはね~、最初に生えた永久歯だからですよ!」
。。。なんだ、そうだったのかー。そんな単純な理由だったんだ!(・oノ)ノ
さらに調べると、こんなこともわかりました。

永久歯で最初に萌出するのは前歯と第一大臼歯ですが、これらの歯が生えるころは、まだ人体にA.a菌に対する抗体の量が十分でないために、周囲組織はたやすく破壊されてしまう。
しかし、他の歯が生えるころには抗体の量も増え、罹患を免れる。ということなのです。
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侵襲性歯周炎は、
家族の中に同じような症状で過去に歯を失った人がいる。
両親どちらかが早い時期に総義歯(そうぎし)になっているなど、遺伝的素因がみられます。
さらに、広汎型(こうはんがた)侵襲性歯周炎といい、
これは第一大臼歯や前歯以外でも骨吸収が進行し、歯周病が広い範囲にわたっている状態をいいます。(3割を超えると広汎型といわれます。)

私が約20年前に勤めていた歯科医院に、30代前半の美しい女性が来院されていました。
しかし、彼女は歯が1本も無く、上下とも総義歯(入れ歯)でした。
全身的にはとても健康で、特別これといった既往歴もありません。
義歯の調整に度々来院されていました。

虫歯で歯を抜くにしても数本なので、このように全ての歯を失う原因は、重度の歯周病と思われます。

後編につづく

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