バス法のバス先生
Charles C. Bass (1875–1975)
歯科衛生士向けの冊子「タフトくらぶ」(オーラルケア発行)に素敵な記事が載っていまた。そこで紹介されているショートムービーがこれまた素敵なんです。
題は『本当の歯周病予防を求めて―隠されたフロスの秘密―』
私も全然知らなかった予防歯科に情熱をかけた先生たち、パームリー先生やバス先生のお話です。
今から200年前アメリカの歯科医師Drレヴィ・スピア・パームリーは、歯間部を絹糸で清掃することを推奨されました。 ( 『本当の歯周病予防を求めて―隠されたフロスの秘密―』 より)
↑この動画は本当にいいです見る価値大ですよ
1815年
歯と歯の間をフロッシングすることは、世界中のどんな歯ブラシや歯磨き粉より疾患の予防につながる。
レヴィ・スピア・パームリー
→詳しくはフロスの元祖パームリー先生へ
その150年後に登場するのは、アメリカの病理学者チャールズ・C・バス先生。腸チフスとマラリアの違いを判定する方法を発見したことで有名。まずは歯科医師でなかったことにビックリ!
バス先生、なんと歯科医師の指示通りにブラッシングしていたにもかかわらずご自身が歯周病でくるしんでいたのだそうです。
そこで病理学者は原因をつきとめます。
口腔細菌は単独で害を及ぼすのではなく、プラーク中にあってはじめて虫歯や歯周病を引き起こす原因になることを発見しました。
バス先生は過去のブラッシング法をすべて研究されたのです。その結果、虫歯や歯周病が最も発生しやすい歯間乳頭部や隣接面は、歯ブラシではきれいにできないことを突き止めました。 これを医学会で発表します。
1947年
予防・口腔内のコントロールのためには、歯ブラシとフロスで
すべての葉の表面からプラークを除去する必要がある。
フロスが基本的な道具であり、歯ブラシはそれに付随するものである。
チャールズ・キャセディー・バス
そうです、バス法で有名なバス先生は、実はフロスの重要性を訴えていた方だったんです!(これ、ほんと全然知りませんでした!)
ところがDrバスが歯科医師でなく病理学者であったことと、当時、虫歯予防として推奨されていたフッ化物の添加に否定的だったことを理由に、この訴えを完全に無視、非難さえしたのでした。
こうして“本当のバス法”(フロスを使う)が埋もれてしまったのだそうです。
しかしバス先生は自分の研究を信じ、ひとりフロスを実践され、 生涯自分の歯を残し100歳まで生きられたのでした。
ブラボーヽ(´▽`)/デンタルフロスは第二次世界大戦までは、あまり一般的ではありませんでした。
しかし、大戦中バス先生によって今までの絹製でなく、使いやすいナイロン製のフロスが発明されたため、大戦後には歯を清潔に保つためにフロスを用いることの重要性が示され一般に使用されることになりました。
バス法とは、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に斜め45度に当てて、小刻みに振動させる方法です。
歯ぐきが腫れている方にはとても効果的な方法です。しかし、毛先を歯肉溝に入れるのでちょっと難しい方法なんです。
経験上、上手く毛先が当たっていない方や、プラークの取り残しが多いと感じることがあり、また、歯ブラシの硬さや力加減も重要で、下手をすると歯ぐきを下げてしまうので、私はバス法はほとんど指導に取り入れていません。
主にスクラッビング法と毛先磨き(歯ブラシのつま先、かかと、わきを使い分ける)を指導しています。正しい歯の磨き方 No.2 でも紹介しましたが、私は、まずはじめに、つまようじ法や歯間ブラシ&フロスで歯間部のプラークを除去することをお勧めしています。
それにしてもこんな大事な発表を無視するなんて、歯科界はなんと愚かなんでしょうね。
やはり昔も今も、虫歯や歯周病がなくなっては困るからなんでしょうか。
医学界も似たようなものですね。少数派の良心的な先生は人々の健康を維持増進しようと予防医学を教えてくれます。でもほとんどの先生は対処療法しかしてくれませんね。
健康は自ら学び選ぶ目を持つことが大切なのでしょうね。バス先生これまで“本当のバス法”のこと知りませんでした。
ゴメンナサイm(_ _)m でもこれからは、先生の想いをしっかり患者さんに伝えていきますからね。
「タフトくらぶ」のこの素敵な記事を書いてくださった方、ムービーを作ってくださった方々、本当にありがとうございました。
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