歯科医師・歯科衛生士合同セミナー☆ 一部の人の歯周病は重度になる
日本臨床歯周病学会・関東支部の歯科医師・歯科衛生士合同セミナーに行ってきました。
2015年5月17日 於:一橋大学・一橋講堂
まずは関東支部、新支部長の飯野文彦先生のごあいさつ
ご自身が入会当初に感じた喜びと興奮を、若手の先生にも味わっていただきたい。これからも温かい会にしていきたいとの抱負を述べられました。
次に日本臨床歯周病学会、新理事長の二階堂雅彦先生のごあいさつ
日本臨床歯周病学会は日々臨床の現場で患者さんと向き合う
歯科医師、歯科衛生士からなるユニークな成り立ちの学会です。
1983年に3名の歯科医師を中心に設立以来発展を続け、現在3500人を
超える会員を有し、わが国における歯周病治療のリーダーシップを取る
学会の一つに成長しています。。。
二階堂先生は日本とアメリカの大学で学ばれ、日本とアメリカの歯周病学会を牽引されている方です。
両方を見ている先生は、今では日本の歯周病学会のほうが、天然歯を守ろうとする姿勢が強いと感じるとおっしゃっていました。
アメリカでは早めに抜歯→インプラントが主流のようです。
第一部は二階堂先生のご講話です。

題は『私の考える歯周治療』…歯周病で歯を失う人を一人でも減らすために
「国民の8割は歯周病」という事実があります。
そして一部の人の歯周病が重度になります。
でも、そのことを国民は知らない。
知らないのは私たちの責任ではないかとのお考え。
新理事長は、「歯周病で歯を失う人を一人でも減らす」ことをミッションとされ、国民の方々の気づきを増やし、歯周病知識をより深く浸透させることを目指したいと述べられました。
ある研究結果では、プラークが付着している人に何もしないで経過観察したところ、
● ほったらかしても何も悪くならない人が1割
●少しづつ悪くなった人が8割
● ほったらかしたら全滅した人が1割
ぺリオに理解のない歯科医院に通っていると、重度の歯周病へと移行してしまうことを教えてくれない。その場その場の治療で徐々に歯を失うことになります。
(※ぺリオ…歯周病、またはその治療)
重度の歯周病の治療は
1.リスクを減らす。
○タバコをやめるなど生活習慣を改善する。
○抗菌剤を使用する。
○外傷性咬合の改善を図る。
2.細菌検査を行う。
3.確定的治療を行う。
○再生療法を行う。
4.SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
○メインテナンスの確立。

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↑これらをきちんと行うことが大切なのです。
若年性歯周炎にストップをかける!前編&後編←こちらもご覧ください
つづいてインプラント周囲炎のお話です。
先生は現在、インプラント周囲炎が蔓延していることを憂いておられました。
さいごに再生療法のお話。
その歴史や現在の主流、先生の症例などの発表がありました。
二階堂先生の技術は素晴らしく、再生療法の可能性を改めて感じることができました。
ほったらかしても何も悪くならない1割の人を除き、全滅してしまう人や、少しづつ悪くなる人は是非きちんとした歯科医院で歯周治療を受けてください。
でも歯周病治療となる前に歯周病の予防をしましょうね

第2部は前理事長、谷口威夫先生のご講話です。(次回へつづく)

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