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2015年7月10日 (金)

歯科医師・歯科衛生士合同セミナー☆ 歯周ポケット6mm以上の歯周病を基本治療で治す。

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第2部は臨床歯周病学会元理事長の谷口威夫先生のご講話です。

20150517_02_2これまでの谷口先生の歯周病治療に対するさまざまな思いや、行ってきた臨床を、時代を追ってお話ししてくださいました。

先生はこれまで外科処置をなるべく行わず、優しい治療を心がけてこられました。その中で、さまざまな悩みや葛藤がおありだったそうです。

 

現在、再生療法が花盛りですが、そうしなければならないのは歯周治療のほんの一部で、6mm程度の歯周ポケットであれば、歯周外科をしなくても歯周基本治療で、ほとんどSPT可能になります。

また、7mm以上であっても単根歯であれば、ほとんどは歯周基本治療で長期にわたって歯を保存することができます。

谷口先生はずっとそのようにされてきたのだそうです。

そのことが患者さんの信用を得て、地域の方々の信頼に結びついたことは大きな財産だと思うとおっしゃっていました。

 

患者さんに対する真摯な対応の仕方を伝えてくださり、また、さまざまな症例の診かた、注意点、手技、練習法、評価の仕方を具体的にお話ししてくださいました。

全てにおいて患者さんに対する愛情、人に対する優しさを感じさせてくれる内容でした。

こんな人間味のある温かい気持ちを持った先生に診てもらえる患者さんは、とても幸せだなと思いました。
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お話の中で、日本の歯科医療の問題点も指摘されました。

① 根尖性歯周炎 ⇒ 根治 ⇒ 歯冠修復
② 辺縁性歯周炎 ⇒ 歯周治療 ⇒ 歯冠修復

(①は、根管の病巣が原因で歯周炎になっていたら、根の治療を行い、かぶせ物の治療をするということ。
②は、歯周ポケットの病巣が原因で歯周炎になっていたら、歯周治療を行い、かぶせ物の治療をするということ。)

歯科医師として①と②を両方きちんと行うのは当たり前のことです。
でも、①は行うのに、②は行わない。そんな歯医者がとても多いのです。

ぺリオに興味のないドクターです。(私に言わせれば不誠実なドクターです。
先生はこのような現状をとても憂いていらっしゃいました。

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しかしながら歯周基本治療での問題点もあります。

歯周基本治療で治りにくいものとして、咬合性外傷と根分岐部病変の問題があります。
この二つがあると一筋縄ではいきません。

でも、そのお話の中で一つ朗報がありました。

それは。。。『根分岐部病変があっても、定期健診とブラキシズムのコントロールがあれば、90%は20年もたせることができる。』 というものでした。

これを聞いて※SPT(定期健診)の大切さを改めて再認識いたしました。

(確かに私のメインテナンス中の患者さんでも、根分岐部病変Ⅱ度あり、歯周ポケットは7mmで何年も変化なしの方が何人かいます。歯周外科などしたくないという方は多いのです。)

ご講話の最後にこんなことをおっしゃっていました。

「今日の講演が気に入ったらぜひ臨床歯周病学会に入会してください。」
(まだ未入会でセミナーに参加されたドクターや衛生士も多かったようです。)

先生はこの臨床歯周病学会を通して、歯周治療をきちんと行うことのできる意識の高いドクターを一人でも増やしたい。

それが国民の方々の歯の健康と幸せにつながることを強く願ってらっしゃるのだと感じました。

私は今回のこの講演を聴いて、ますます谷口先生のファンになりました。

いつまでも日本の歯周病学会のリーダーとして、歯周治療を担う先生方や歯科衛生士を牽引していただきたいと願っています。

谷口先生、大変貴重なお話を有難うございました。

※SPT :治療により病状安定となった歯周組織を維持するための治療。プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、咬合調整などの治療が主体となる。
 

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