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2015年8月22日 (土)

上下の歯をくっつけていませんか?

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日中、無意識に上と下の歯を合わせている人がいます。

診療所で患者さんに「上下の歯をくっつけていませんか?」と聞くと
「はい(くっつけていますが)いけないんですか?」とのお返事がよくあります。

口を閉じるのがあたりまえのように、上下の歯もくっつけているのがあたりまえと思われている方って案外多いものです。

しかし、上下の歯は、口を閉じても1~3mmの隙間があり、ちょっと離れているのが自然な状態です。

これを歯科では「安静位空隙」といいます。筋肉によけいな力が入っていない状態です。

上下の歯が触れ合うのは、食事・嚥下・会話のときで、1日に20分以内といわれています。それ以外では歯は離れている方がいいんですね。

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この上下の歯をくっつける癖をTCHTooth Contacting Habit = 歯列接触癖)といいます。

TCHの名付け親は、東京医科歯科大学・顎関節治療部の木野孔司准教授です。

顎関節症の治療をするにあたり、通常の治療を行ってもなかなか改善されない患者さんが多数いたそうです。

そこで2000年に行った調査の結果から明らかになったのが、この上下の歯をつける癖、TCHなのでした。

この癖があると顎関節症を引き起こす危険性が高まるのです。

痛みをもって来院された顎関節症患者さんの70~80%の方が、この癖を持っていることが分かっています。

また、この癖を直すことで顎関節症が早期に改善することも明らかになりました。

引用:「次世代の顎関節症治療を考える会」HPより

 


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木野先生の書かれた本です。とてもわかりやすかったのでぜひ一度読んでみてください。

 

TCHは、顎関節症以外にもさまざまなトラブルに繋がります。
 ● 歯のひび
 ● 歯のすり減り
 ● 詰め物への影響    などです。

またTCHは、歯の問題だけでなく、首こりや肩こりも起こすことがわかってきました。

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ところで、よくいう「くいしばり」との違いは何なのでしょう。

くいしばりの場合は、強い力で歯をかみ締めるため、顎の筋肉の疲労が大きく、長時間続くことはありません。

一方、TCHは無意識で歯を接触させているため、かむ力は弱いのですが、継続されることにより筋肉への負担が大きくなってしまうのです。

 

そんな厄介な癖、TCHですが、実は自分で治す方法があります。「行動変容法」とか「認知行動療法」といわれている方法です。

その方法とは


  1. 歯をくっつけていると、歯や顎の筋肉に悪影響があるということを認識する。

  2. 紙に「歯は離してリラックス!」と書き、パソコン前やキッチンなど自分が普段よくいる場所に貼る。

  3. もし歯がくっついていることに気づいたら、離す。

「気づく」ことによって、歯を離す癖をつけるということなのです!

なんだ、そんなことか〜  

簡単なので是非やってみてください。

いろいろな全身の不調が改善されるかもしれませんよ。



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