歯とからだの健康を守る『歯科栄養学』②
診療室では歯や歯ぐきを診るのはもちろんですが、口の中の粘膜も注意して診る必要があります。
前回冒頭の毎食おにぎりだけの人はビタミン不足による地図状舌がみられましたよ。
では『歯科栄養学』①のつづきです。
歯を守る栄養学と全身の健康
―世界保健機関(WHO)の紀要からより
『口腔粘膜疾患の予防』
舌炎,口唇炎と口角炎にはビタミンB群の欠乏が関与している。
極端な低栄養状態になると、化膿菌と腐敗菌の混合感染で重症の口内炎が起きる。
放置すると歯肉や口角から壊疽に陥る。(壊疽性口内炎)
野菜と果物の摂取が口腔がんのリスクを下げることが報告されている。
『酸蝕症』
クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、蓚酸および炭酸など食品や飲料中の酸は、酸蝕症の危険因子である。
ビールもワインも飲みすぎは歯によくないんですね~
『糖類』
砂糖を含む糖類の単独での摂取は、肥満とう蝕のリスク因子である。
WHOでは糖類は総エネルギー量の5%以下にすることを推奨している。
『その他』
●チーズと牛乳はカルシウムとカゼインが含まれており、う蝕(むし歯)の予防因子である。
●全粒穀物、ピーナッツ、チューインガム(ノンシュガー)は唾液流量を増加させるので、う蝕の予防因子である。
●ビタミンA,ビタミンD及びタンパク質の欠乏は、エナメル質減形成と唾液腺萎縮を伴う。その結果としてう蝕発症の危険因子となる。
偏食をしないこととタンパク質・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂ることがいかに大切か…。好きなものばかり食べていてはいけませんね。
歯とからだの健康を守るために気をつけてくださいね。
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