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2016年8月 9日 (火)

日本臨床歯周病学会年次大会に行ってまいりました

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今回はプレミアムセミナーにも一緒に参加した同僚のユミさんに、特別に記事を書いていただきました。衛生士歴22年のとても優秀な歯科衛生士さんです。
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猛暑が続きますね。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
Yumiさんの後輩同僚の私もユミと申します。
先月、7月8日~10日に福岡で行われた、日本臨床歯周病学会年次大会に行ってまいりました。いろいろな先生方のお話を聞けて大変貴重な時間となりました。そのお話を書いてみたいと思います。
 
9日午前中は10人の歯科衛生士さんによる、ケースプレゼンテーション。
午後は、テーブルクリニックで同時間に講師の先生が講演されていて(はっきり言ってこのタイプの学会講演はいつも何にしようか悩みます。)江澤 庸博先生を選ばせて頂き、『ハイエンドな歯周治療が行えるための必要条件とその教育』。
その後、認定衛生士教育講演では、インプラント治療における歯周治療の重要性、歯科衛生士の役割について。

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10日は、『基本手技から見直そう!』という題材で、鈴川 雅彦先生、瀧野 裕行先生、白石 和仁先生による講演を聞けました。
始めのケースプレゼンテーションで心に残った言葉は、若い世代から、歯周病治療は必要とのことで、女性は妊娠すると、知覚過敏、出血、口臭、Perico(智歯=親知らず周囲炎)等の症状に陥る事があるので、そのような症状に陥らないよう、提唱しましょうとの事です。
ちなみに、早産や低体重出産も、妊娠中期に歯周治療をしても遅いとのことです。
又、成人気管支喘息有する患者で、季節の変わり目に症状がおきてきたのが、歯周病重度の2本の抜歯と4ブロックに分けてSRPの治療予定の、2ブロックしてから喘息がおさまってきた症例。
Ca拮抗剤の血圧降下剤服用歯肉増殖症患者で、プラークコントロールの指導を徹底的に3か月行ってからSRPを行い、α遮断薬に変更しなくても歯肉の状態が改善された症例等でした。
次に、私が尊敬致します江澤先生の話では、全思春期歯肉炎9~12歳の歯肉の炎症のある場合は、侵襲性歯周炎に移行する場合があるので気を付ける事や、歯周病治療を医院内で出来る環境について(器具、機材について)
又、バス法の患者への動かし方の指導は、歯周ポケットに差し込んで丸く動かすようにすると、大きな横磨きにならないことや、歯科衛生士の指導の立場になった時のプロの育て方、理想的な歯科衛生士とは?等お話を聞くことが出来ました。
因みに、江澤先生が考える理想的な歯科衛生士は、“人としての優しさを持っていて、診療介助者としてのベースがある歯科衛生士”です。

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次に認定歯科衛生士講演で、興味深かったのは、鈴木 秀典先生による次のようなお話です。
インプラント部のプラークに対して、補助清掃器具のうち除去効果が大きいものはどれか?という研究をしたそうです。
患者自身が、①フロス②特殊フロス③タフト型ブラシ④歯間ブラシで行った結果は、フロスが一番。
今度は歯科衛生士が①フロス②タフト型ブラシ③歯ブラシ④歯間ブラシで行うと、歯ブラシが一番との事で、
患者の家庭療法における鈴木先生のおすすめは、フロスと歯ブラシだということです。
 
そして最後の講演は、再生療法のお話に加えて、歯周治療の医院でのカギは基本手技だけでなくお互いの専門性を尊重しあう事で、それが成功につながり患者さんにも伝わっていくとの事でした。
 
この2日間内容の濃い学会でした。また、この知識を医院で共有したいと思います。
 
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ユミさん今回はお疲れ様でした&ご報告有難うございました! yumi 
 



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