歯医者が怖い人の克服方法
幼いころ、チョコレートやキャンディーが大好きだった私の口の中には、虫歯がたくさんありました。
予防のために歯医者へ行く人なんてほとんどいない昭和40~50年代、歯医者は“歯が痛くなってから行く”ものだと固く信じていました。
甘いもの好きな私は、歯が痛くなると大嫌いな歯医者へ行かなければなりません。
最寄り駅からすぐ近くの歯医者さん。狭い待合室では、いつもたくさんの人が待っていました。
待っている間中の憂鬱と、治療への恐怖!

治療中は、いつ凄まじい痛みがくるのかと身を硬くし我慢するしかありませんでした。
今と違い、金属製の機械や道具がたくさん並んでいて、台の上には炎がメラメラしています。(覚えてる方いますか~
?)

「あの尖ったのと炎は使わないで~!」と幼い私は祈っていました。
歯医者の先生や、そばにいた(補助の)おばさんとの会話なんてありませんでした。
当然、予防の話などは皆無。ただ、その場限りの処置をするだけの場所でした。
予防歯科の先進国であるスウェーデンのように、予防とメインテナンスを教えてくれていたらどんなに良かっただろうと考えます。
現在は多少進歩しましたが、いまだに治療のみの歯医者がほとんど。それが日本の歯科の現実です。
私の勤める歯科医院の院長、市川光大先生の幼いころのエピソードです。
『私は小さいころに歯科医院で、とてもつらい思いをしました。
それは、先生に「痛い、痛い」と訴えても、「痛くない!」と怒鳴られてしまったんです。
今でもその声をはっきり覚えていますよ。
当時の歯科治療は全般的にそんな荒っぽい感じでしたね。
しかし、そうした記憶は強く残って、私なら患者さんをそんな気持ちにさせたくないと考えました。
当院で患者さんの立場にたって診療をするのは、私が子どものころから思い続けてきたことなんです。』 (ドクターファイルに掲載された記事より)
「痛い」と訴えているのに、「痛くない!」と怒鳴り、ムリやり治療を続けるなんて、なんて思いやりのない歯医者なんでしょうね。
私たちはそんな苦い経験を味わっているので、来院される患者さんにはそんな嫌な思いはさせたくないと考えているのです。
この度、コラムラテさんから依頼を受け、歯医者で怖い思いや嫌な思いをして、歯科恐怖症になっている方に向けてコラムを書かせていただきました。
歯医者が怖い!歯科恐怖症の克服方法
こちらも是非ご覧ください。

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コメント
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Yumi さん こんにちは。
「台の上には炎がメラメラ」 - 覚えてます !
私は毎回あの炎を見るのが怖かったです。
子供心にあれはいったいなんだろう、なぜこんな所にあるのかと、いつも思いました。
最近はめっきり見なくなりましたが、去年、治療を引き受けてくれる歯科を探し求めていた時に、ある歯科でまだ置いているのを見かけました。
現在通院中の歯科は、きちんとした治療や予防・メンテナンスもしっかりしてくれますが、先生と思い通りにコミュニケーションを毎回とれているというわけではありません。
全て希望通りにそろっている歯科に出会うのはは、本当になかなか難し事ですね。
Yumi さんの勤務先の先生は、患者の気持ちをよく判って下さっていらっしゃるご様子で、うらやましいです。
患者は、その時に感じている状態をそのまま伝える事しかできず、その症状の説明が何かの勘違いであっても、病気の原因とは直接関係なかったとしても、患者が訴える症状のひとつひとつに耳を傾けてくださると、やっぱり安心しますし、もっと心も開けるようになるものだと思います。
以前に通院していた歯科は、ひとり15分の予約枠で、複数の診療台を先生が行ったり来たりしながら治療をしていました。
もちろん、乾くまでの時間だったり、節約できるところは時間を有効に活用するのは良い事だと思います。
しかしその為に、患者の訴えを全く聞く余裕がみられない先生には、患者も非常に気を使いますし、いつもすっきりしない気持ちで会計を済ませていました。
むずかしいですネ。
投稿: Reeses | 2016年12月17日 (土) 19時39分