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お二人目は村上伸也先生(天野先生と同じ大阪大学大学院歯学研究科の教授です。)テーマは「歯周病が治る」って、どういう意味? —「治る」と「再生する」を再考しよう—
歯周病患者に対する治療結果の永続性をめざして松井 徳雄先生(関西支部)歯周病治療歯とインプラントの共存を考える谷口 宏太先生(九州支部)インプラントを有効に活用するために石川 知弘先生(関東支部)3名の歯科医師のご講話を拝聴いたしました。谷口先生のお話の中で印象的だったのは、来院理由に「GTR法をしてほしい。」という患者さんがいたというお話です。この方は重度の歯周病をなんとか治したくて、熱心に調べ、この再生療法ができる先生から治療を受けたいというものでした。歯周基本治療と再生療法の成功で、重度の歯周病が見事に改善し、その状態を何年も保たれているという症例を紹介してくださいました。「治したい」という強い気持ちがある方は、良い先生に巡り合うことで、進行した歯周病でも改善していくことがあるのです!今回の年次大会に参加し、また更に得るものがありました。新しい歯周組織再生材「リグロス」の可能性、歯周病の病因論から見た適切な対処方法、高齢化社会に向けての私たち歯科従事者の役割、等々。学んだ知識をまた臨床で役立たせていきたいと思います。
会場で紹介していた本を早速購入、勉強中です!


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今回の年次大会のメインテーマは「歯周病患者におけるインプラント治療」。会場は、はるばる大阪です。朝4時起きして羽田から伊丹空港へ。空港からリムジンで大阪駅へ、そこからタクシーで大阪国際会議場へと向かいました。
まずは認定歯科衛生士対象の講演会場へ。「歯周治療に求められるX線写真の読み方」をテーマに講演がありました。
歯周病の診断・治療においては、口腔内診査とともにレントゲン写真での診断もとても重要です。歯根部や歯槽骨の状態をできるだけ正しく読み取る必要があります。
インプラント周囲炎による骨吸収の画像についても知っておかなくてはなりません。歯周病認定歯科衛生士として、よりハイレベルな画像の読影を教えていただきました。
続いては歯科衛生士教育講演です。全国各地から900名の臨床歯周病学会の歯科衛生士が集まりました。お一人目は天野 敦雄先生。大阪大学大学院歯学研究科の教授です。さすが大阪の先生。とても楽しく、ためになるご講話でした。
テーマは「病原性の高いプラークと低いプラーク」
病原性の高いプラークは少ない量でも炎症を起こす。一方、低病原性のプラークは量が多くても深刻な問題を起こさない。
その例としてこんなユニークなお話がありました。頭がかゆいと元皮膚科の美容院へ行くと「よく洗いなさい。」とクリームをくれておしまいなのに、元歯医者の美容院へ行くと、しつこく洗う練習をさせられる。角度は45゜、染め出してまで洗えていない所をチェックする…。思わず笑ってしまいました。おっしゃる通りで、私たちはプラークというと目の敵にして、100%磨きを目指し、患者さんにもそれを要求してしまいますが、何の問題も起こさない部分のプラークについてはそれほど目くじら立てなくても良いのです。
ここからが大切…。病原性の高いプラークについてのお話です。
ヒトの口腔内には600種類の細菌が生息すると言われている。しかし、600種類全ての菌が一人の口腔内にいるわけではない。26菌種しかいない人もいれば、200種類以上の細菌を住まわせている人もいる。
細菌の種類が増えるにしたがって病原性も高まるのだそうです。200種類以上の細菌を保持している人は、重度の歯周病になりやすいということ。そして、驚くことにその細菌叢は18~20歳ごろに完成するということでした。
成人してから歯周病で苦労しないためには、10代からの適切なプラークコントロールが大切なのだと再認識させていただきました。
天野 敦雄『21世紀のペリオドントロジー』YouTubeに先生のお話があります。
後編につづく

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