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2018年1月17日 (水)

受診する患者さんが思うこと

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東京新聞のタブロイド判情報紙『暮らすめいと』。2018年1月号、健康面のコラムは「受診して不安募る」でした。
心臓外科の南淵明宏先生が執筆されたコラムです。サブタイトルは「病院の「売り物」」。
一部紹介させていただきます。
先日外来に60代の女性が受診して、「市の健康診断を受けたら、腎臓が悪いから泌尿器科を受診するように言われたのですが、それ以来不安で不安で…。」

「腎臓が悪い」の根拠となったのはクレアチニン値。正常では1.00以下のところ、1.07を示したからというのです。

患者のクレアチニンの値は医師に限らず、看護師や検査技師、放射線技師に至るまで、日々日常で「気にする」数値です。
しかし彼らの本音はこうです。「うーん、これぐらいいいんじゃないですかぁ…別にぃ」

患者さんは泌尿器科に行きましたが、「心配なら腎臓内科を専門でやっているところに行きなさい」と言われ、ずいぶん探して大病院の専門医を受診しました。ですが案の定「これぐらいいいんじゃないですか。放っておいて。」

「私は一体どうしたらいいのか!」患者さんはさらに不安になったそうです。
南淵先生曰く、
クレアチニン値1.07が無意味だ、というわけではありません。
ただしお分かりのように一連の医療機関はこの女性に結果的に「不安」を売りつけたようです。
病院の売り物、それは言うまでもなく「安心」なのですが…。

と締めくくられてありました。

 

わたしの勤める歯科医院でもこんなことがありました。

 

60代男性、会社の近くの歯科で歯周ポケット検査をしたところ、中程度~一部重度の歯周病とわかりました。
検査結果を伝える際「このままだと奥歯がどんどんダメになって抜けてしまいますよ…。」と説明を受けたそうです。

帰宅後、怖くなり奥様に相談、奥様が通われている当院に来られました。

担当になるよう指示を受け、診させていただくことになりました。
私はなるべく不安な気持ちにならないよう、今の状態を説明し、これからどうしていったら良いかをお話しました。
「奥歯は今このくらいの状態ですが、きちんと治療をすればまだ大丈夫ですよ。…一緒に頑張りましょう。」と。

 

患者さんは素直に聞き入れてくださり、歯周病の治療が開始され、その後のメインテナンスの継続までこぎつけました。
3ヶ月に一度通われること8年近くになります。

 

「不安」を与えて怖がらせるより、まずは「安心」を与えてやる気を出していただく。
安心しすぎて、やらなくなってしまうのも困りものなのですが。なかなか難しいところです。

 

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ついでに2~3年前に気づいたことなのですが…。
私は夫の歯のメインテナンスを度々行っています。
歯周ポケット検査で何気なく「わっ深い!」「あぁ~ここ深いね~。」などと言いながらポケットプローブを入れていました。
ある時「それ言われるの嫌なんだよねー」と一言。「えっそうなの?嫌だったの?!」とびっくり仰天。

 

言われる度にショックをうけていたらしいのです。悪いことしちゃったなーと反省。
今度から患者さんにも言い方を気をつけようと心に決めました。

 

最近はメインテナンスの時に同じポケット深さなら、出血の有無やプラークコントロールなどの確認の上で良ければ「安定していますよ。」と伝えるようにしています。
すると患者さんは皆さん「あ~良かった。」と嬉しそうにされます。

 

まだまだ学ぶことが沢山あるなぁと感じる今日このごろです。

 

せっかくいらしていただいた患者さんに少しでも満足していただけるよう努め、「安心」を売り物にしたいと考えております。

 


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