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2018年5月 4日 (金)

日本臨床歯周病学会 関東支部教育研修会に行ってきました

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第80回関東支部教育研究会 2018・4・15 於:一橋大学一橋講堂

一年ぶりの一橋講堂、今回のシンポジウム、テーマは「歯周病患者との向き合い方」

4名の歯科医師と1名の歯科衛生士の発表がありました。

「歯周病症例の難易度の見方」として発表された斉田寛之先生。

同じような大きさの骨欠損を抱える歯周病の症例に対して同じようなアプローチをしたとしても、反応の良い症例もあれば悪い症例もある。そのような治療結果の違いには何が関与しているのだろうか?

ということで症例ごとの個体差を捉えることの重要性をお話してくださいました。

症例の個体差を捉えるためには何を見ればよいのか

罹患度=歯周病のかかりやすさ

進行性=歯周病の進みやすさ

回復力=歯周病の治りやすさ

それぞれが過去・現在・未来を表すと考えると治療方針を立てやすくなるということです。

罹患度は年齢に応じた骨吸収の大きさでみます。

進行性は歯周組織破壊が現在進行形かどうかをみます。歯槽頂部歯槽硬線が不明瞭であると現在進行中なのです。

回復力は年齢や喫煙の有無、歯肉のタイプ、全身疾患などを配慮します。

チャートを利用し、ポジティブファクターとネガティブファクターにどれくらいの比重があるか

また1歯づつのリスクファクターも考慮し、将来の見通しを含めてきちんと説明されるのだそうです。

長期に渡り観察が必要な歯周病治療においては、患者さんにあらかじめ将来の見通しをお話しておくことの重要性を教えていただきました。

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歯科衛生士仲間と近くの美味しいカレーショップでのランチ

午後は日本大学教授 松戸歯学部歯周治療学講座 小方頼昌先生の講演です。

テーマは「歯周病の基礎と臨床」

歯周病は歯周組織への細菌感染に起因する炎症性疾患であるが、環境因子と宿主因子がさらに発症と進行に関与する。

ということで基礎的知識と最新研究を織り交ぜてお話してくださいました。

中でも興味深かったのは、日本人の9割が保有しているというEBV(EBウィルス=ヒトヘルペスウィルス)。このウィルスが歯周病の進行に関与しているのでは?というお話です。

限局性の深い歯周ポケット内にはpg菌とEBウィルスが沢山みつかる

pg菌の出す酪酸がEBウィルスに作用してウィルスが増えるのではないか…。

これまで歯周病は細菌による感染症と言われてきたが、実はウィルスが関わっているのでは?というお話でした。

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この日ちょっと遅れて会場に着くと、講堂から出てこられた谷口先生に「今日のプログラムはどこにありますか?」と声をかけられました。

「入り口にありますよ!」と答えてその場で待機。思い切って写真撮影をお願いすると、笑顔で受けてくださいました。

日本の歯周病学会のレジェンド私のブログ記事 素敵な歯科医師 Part1 歯周ポケット6mm以上の歯周病を基本治療で治す。にも登場する、谷口威夫先生とのツーショットでした

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聞くに聞けない歯周病治療100


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