年齢とともに歯ぐきが下がるって本当?
診療室で最近「歯ぐきが下がってきた。」「歯が長くなったように見える。」と訴える方が多くいらっしゃいます。
なんとなく伸びた歯は老けて見えるようで、皆さんとても気になるようです。
私自身の歯も最近なんだかそんな気がしています。
実際に年とともに歯ぐきって下がっていくものなのでしょうか?
歯ぐきが下がることを歯科では歯肉退縮 といいます。
歯肉退縮とは歯肉辺縁の位置がセメント・エナメル境より根尖側に移動し歯根面が露出した状態と定義される。
歯の長さは変わらないので、歯ぐきが下がって歯の根の部分が見えてくることで長~くなったと感じるのです。上からエナメル質、セメント・エナメル境、セメント質。
歯ぐきが下がる原因はいくつかあります。
1,間違った歯磨き
ハブラシ圧が強すぎると、歯ぐきが貧血を起こします。貧血を起こすと細胞の数が減り、歯ぐきが下がってしまうのです。
綺麗に磨こうとするあまり力を入れすぎてゴシゴシ磨いてはいけません。
2,加齢
個人差や歯の部位による差はありますが、10年で2mm歯ぐきが退縮するとの報告があります。
40代以降に歯ぐきの下がりが気になってくる方が多いようです。
40代女性の悩みは”顔とお尻と歯ぐきの下がり”なんていう実態調査もありました。(^-^
3,歯周病
歯周病で歯槽骨が吸収すると、それに伴い歯ぐきも下がってきます。
重度の歯周病により歯周治療を行った後に歯ぐきが下がることは多くあります。
だったら治療しない方がいいのでは?!なんて思ったら大間違い!治療をしないでそのままにしておくと、いづれは自然に歯が抜けてしまいます。
4,噛み合わせ
部分的に歯に過度の力が加わった場合に、歯槽骨が吸収してしまうことがあります。
歯並びの不具合や、歯ぎしり・くいしばりなどがその原因となります。
一度下がってしまった歯ぐきは、元に戻すのが難しいものです。
歯ぐきが下がらないためには、特にブラッシング圧に気をつけましょう。
歯周病予防には日々のプラークコントロールが大切です。また、定期的にメインテナンスを受けることで、歯周病の早期発見、早期治療をします。
歯ぎしりやくいしばりの歯への影響を防ぐために行う自己暗示法や、就寝前のストレッチなどで力のコントロールをします。
これらは歯周病の予防とともに”歯ぐき下がり”の予防にもつながるのです
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