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2019年3月11日 (月)

どう攻める、そのペリオ

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2019,2,17 日本臨床歯周病学会 認定医・認定歯科衛生士限定プレミアムセミナーに行ってまいりました。 

於:東京医科歯科大学 御茶ノ水


メインテーマはどう攻める、そのペリオ…ペリオは歯周病のことです。

 

講演お一人目は歯周病指導医、歯周インプラント指導医の鈴川 雅彦先生。クールダンディーな先生と紹介されていたとおりの、落ち着いた雰囲気の素敵な先生でした。

テーマは「理解しやすい歯周病に関するリスクの考え方」です。

 

歯周病を悪化させる因子を歯周病のリスク因子といいます。

リスク因子にはプラーク・喫煙・食事・不眠・過労・運動不足・慢性的ストレスなどが挙げられます。

それらは一つでなく積み重なっていくもので、それをリスクのクラスター化といいます。

中でも歯周病ストレスの関係についてご教示をいただきました。

 

ストレスによる心身の疲弊のことをアロスタティック負荷 と呼びます。

ストレスを感じると神経内分泌系・代謝系・免疫系・心臓血管系の検査値に影響を与えることがわかっています。

 

※アロスタシス(動的適応能)とは変化することで体内環境の安定性(ホメオスタシス)を維持すること。

 

ストレスが続くと唾液の量が減り、口が乾燥しやすくなります。また、歯ぐきを健康に保つ水分である歯肉溝滲出液も減少します。

免疫力の低下により歯ぐきに炎症がおこりやすくなります。歯ぐきから血が出る、腫れてブヨブヨしてくる、痛みが出るなどの症状です。

歯ぐきの血流が悪くなり、細菌と戦う力が弱くなるため歯周病が悪化しやすくなります。

 

こんなにもストレスが歯周病に影響を与えるとは驚きですね!

歯周病の治療にあたっては、プラーク除去だけでなく多重行動リスク因子への介入が必要であるということでした。

 

 

他にも医科と歯科の連携を図るための共通言語で、炎症を示すPISA(periodontal inflamed surface area  mm²)についてのお話も興味深かったです。

 

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現在は歯周ポケットの数値の減少が歯周病の改善の目安となっていますが、将来的にはPISAの数値が2000mm²から300mm²になったということが歯周病治療の成功となる時代が来ると思うとおっしゃっていました。

 

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お二人目は歯周病指導医の吉野 宏幸先生。肉食系男子と紹介されていたとおりの、とてもエネルギッシュな先生でした。

テーマは「歯科衛生士、歯科医師共に考える治療計画の立案」です。

 

まず話されたのは「我が国では歯周病はなぜ放置されているのか!」ということでした。

歯周病は誤嚥性肺炎、動脈硬化、心筋梗塞、など、全身疾患との関係に関する報告も多い。にも関わらず歯周治療が徹底されている医院は少ない。

その理由は様々あるが、治療方針を立案しづらいこともその理由の一つだと考える。とのことでした。

 

重度の歯周病の有病率は、55歳でアメリカ18%、日本38%となんと2倍!

60歳以上ではアメリカ20%、日本56%となんとなんと3倍!

日本は先進国でなく、歯科発展途上国なのでは?と。まさに!!

お話は歯周病患者を減らすにはどうしたらよいか。

歯周治療の考え方とバリエーション、さらに治療計画の立案について、先生の症例なども数多くご紹介くださり、盛り沢山であっという間に時間が経ってしまいました。

私の知り合いに重度の歯周病で大がかりな補綴(ブリッジやインプラントなど)、矯正が必要な人がいたら、吉野先生のところへ行くといいよと教えてあげたいなと思いながら拝聴していました。

 

同僚の由美衛生士さんとも「今回のセミナーも勉強になって色々とおもしろかったね。」と感想を語り合いました。

また明日からの診療に活かせたらと思います。

 


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