信号待ちで歯を磨く村上春樹と、彼のひとつの後悔
長編小説を書いているとき、村上は午前4時に起き、5、6時間ぶっとおしで仕事をする。午後はランニングをするか、水泳をするかして(両方するときもある)、雑用を片づけ、本を読んで音楽をきき、9時に寝る。『天才たちの日課』
夜明け前に起き、きっちり仕事をする。コーヒーをていねいにつくり、パンケーキをとてもきれいに焼く。若いころからシャツにはきちんとアイロンをかけている。レコードもこまめに磨く。毎日しっかり身体を動かして、早くに眠る。肩こりはなく、後悔も(ほとんど)ない。
そんな村上さんの、数少ない後悔のひとつ、何でしょう。
僕はこの人生で「あのときこうやっとけば」とか、「あれさえやらなければ」とか、後悔することはほとんどないんだけど、歯磨きのことだけはけっこう悔やんでいます。一人暮らしをしていた学生時代、ずいぶんやくざな生活を送っていて、歯磨きなんかも手を抜いていた。おかげであとになって何度も歯医者さんのお世話になることになり、手間もかかったし、お金もかかった。『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』
「歯磨き」でしたね。
(あとはピアノの練習をやめたことくらいらしい)
それでもある時点からけっこうきちんと歯を磨くようになった。車の中に歯ブラシを置くようにもなった。でも一度悪くなった歯は元には戻らない。というわけで、歯磨きは僕が後悔している数少ない事象のひとつになっている。
もう一度人生を繰り返すとしたら(繰り返したくないけど)、食後の歯磨きだけはしっかり励行したいですね。『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』
そんな彼は、車を運転していて、長い信号待ちのあいだによく、歯を磨くそうです。
いつも歯ブラシを持っていて、歯磨き粉をつけずに、水も使わず、ただゆっくり隅々まで磨く。馴れるまでに少し時間がかかるけど、いったんできるようになると、いつでもどこでも簡単に歯磨きができるので、とても便利です。『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』
対向車のドライバーからは、ぽかんとした顔で眺められるそうですが。
でもとにかく、後悔することのないよう、こまめに歯を磨く習慣が身につけられるといいですね。
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