2018年6月11日 (月)

必読!やってはいけない歯科治療

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日本人の歯をダメにした正体は、歯科治療だった!―では、いい歯医者と悪徳歯医者をどう見分けるのか?100人以上の歯医者、歯科衛生士、歯科技工士に取材を重ねた著者がレポートする。

                                                                                                                          小学館から2018/5/30新書「やってはいけない歯科治療」 が発売されました。

この本、売れ行き好調で発売7日後にもう重版が決まったそうです。

第2章の虫歯治療と第3章の歯周病治療で私が取材を受けた記事が掲載されています。

内容を少しだけ紹介させていただきます。

プロローグ 「この奥歯二本は、抜かないとダメですね」

こんな出だしから始まリます。

皆さんは歯医者にこんなふうに言われて驚いた経験はありませんか?

患者さんに「この歯はどうして抜かれたんですか?」と聞くと何んで抜かれたかよくわからないと言われる方がとても多いです。

大事な歯をたやすく抜かれないようにするにはどうしたらよいか?これまで受けてきた治療が本当に正しかったのか?この本を読み進めることで気づくことが沢山あると思います。

第1章 銀歯というタブー

第2章 虫歯治療 7つの間違い

第3章 歯周病治療 7つの罠

第4章 インプラントの闇と光

第5章 感染症リスク

第6章 モラル崩壊

第7章 中高年に予防歯科は必要か

エピローグに弘岡先生の素敵な言葉がありましたよ

「俺は徹底的に患者の歯を残すことにこだわる。それは”歯医者”だからさ」shine

全体を通してストーリー性のあるとても読みやすい内容です。更に2年もの歳月をかけた著者の取材力に圧倒されることでしょう。一般の方はもとより歯科関係者にも患者さんを理解する上で必読の書と言えます。

岩澤さんのOFFICIAL WEBSITE こちらに著書に登場する先生の紹介と取材時の写真が掲載されています。

私のブログ記事☆医療ジャーナリスト岩澤倫彦さんから取材を受けました こちらもぜひ御覧ください。

本を読んだ感想をコメント欄に書いていただけるととても嬉しいですheart


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2018年1月17日 (水)

受診する患者さんが思うこと

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東京新聞のタブロイド判情報紙『暮らすめいと』。2018年1月号、健康面のコラムは「受診して不安募る」でした。
心臓外科の南淵明宏先生が執筆されたコラムです。サブタイトルは「病院の「売り物」」。

一部紹介させていただきます。
先日外来に60代の女性が受診して、「市の健康診断を受けたら、腎臓が悪いから泌尿器科を受診するように言われたのですが、それ以来不安で不安で…。」

「腎臓が悪い」の根拠となったのはクレアチニン値。正常では1.00以下のところ、1.07を示したからというのです。

患者のクレアチニンの値は医師に限らず、看護師や検査技師、放射線技師に至るまで、日々日常で「気にする」数値です。
しかし彼らの本音はこうです。「うーん、これぐらいいいんじゃないですかぁ…別にぃ」

患者さんは泌尿器科に行きましたが、「心配なら腎臓内科を専門でやっているところに行きなさい」と言われ、ずいぶん探して大病院の専門医を受診しました。ですが案の定「これぐらいいいんじゃないですか。放っておいて。」

「私は一体どうしたらいいのか!」患者さんはさらに不安になったそうです。
南淵先生曰く、
クレアチニン値1.07が無意味だ、というわけではありません。
ただしお分かりのように一連の医療機関はこの女性に結果的に「不安」を売りつけたようです。
病院の売り物、それは言うまでもなく「安心」なのですが…。

と締めくくられてありました。

わたしの勤める歯科医院でも以前こんなことがありました。

同僚の歯科衛生士が60代男性の担当になり、歯周ポケット検査をしたところ臼歯部のポケットが深く、中程度~一部重度の歯周病であることがわかりました。

検査結果を伝える際「このままだと奥歯がどんどんダメになって抜けてしまいますよ…。」と説明されたらしいのです。

帰宅後、男性は怖くなって以前から通われている奥様に相談。
奥様が「主人がショックで怯えている。…担当を変えてほしい。」と抗議の電話をかけてこられたのです。

院長から担当になるよう指示を受け、診させていただくことになりました。
私はなるべく不安な気持ちにならないよう、今の状態を説明し、これからどうしていったら良いかをお話しました。

何と言ったかはっきりとは覚えていませんが「奥歯は今このくらいの状態ですが、きちんと治療をすればまだ大丈夫ですよ。…一緒に頑張りましょう。」というようなことを言ったのだと思います。

患者さんは素直に聞き入れてくださり、歯周病の治療が開始され、その後のメインテナンスの継続までこぎつけました。(3ヶ月に一度通われること8年近くになります。)

「不安」を与えて怖がらせるより、まずは「安心」を与えてやる気を出していただく。
安心しすぎて、やらなくなってしまうのも困りものなのですが。なかなか難しいところです。

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ついでに2~3年前に気づいたことなのですが…。

私は夫の歯のメインテナンスを度々行っています。
歯周ポケット検査で何気なく「わっ深い!」「あぁ~ここ深いね~。」などと言いながらポケットプローブを入れていました。

ある時「それ言われるの嫌なんだよねー」と一言。「えっそうなの?嫌だったの?!」とビックリギョウテン。

言われる度にショックをうけていたらしいのです。悪いことしちゃったなーと反省。

今度から患者さんにも言い方を気をつけようと心に決めました。

最近はメインテナンスの時に同じポケット深さなら、出血の有無やプラークコントロールなどの確認の上で良ければ「安定していますよ。」と伝えるようにしています。
すると患者さんは皆さん「あ~良かった。」と嬉しそうにされます。

まだまだ学ぶことが沢山ある今日このごろです。

せっかくいらしていただいた患者さんに少しでも満足していただけるよう努め、日々「安心」を売り物にしたいと考えております。


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2017年11月 3日 (金)

1本の歯の価値は100万円!

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元歯科衛生士のお友達がこんな本を貸してくれました。

『噛み合わせが人生を変える』 2013年に日本顎咬合学会から出された本です。

幸せな「健康長寿」社会へから始まり

1章、歯周病があなたの体を蝕んでいる

2章、口腔ケアで全身の健康を取り戻す

3章、「噛めない」「噛まない」が病気を招く

4章、人は「噛める義歯」で生き返る

5章、噛み合わせが人生を変える

6章、インプラント・義歯は天然の歯に劣らない

歯科医療が国民の健康を変えるで結ばれています。

一般の人向けに書かれたとても読みやすくためになる本です。
特に目に止めたものを紹介させていただきます。

5章の中で1本の歯の価値について書かれている部分があります。

皆さんは1本の歯ってどれくらいの価値があると思いますか?それはなんと100万円だそうです!

北海道歯科医師会会長が損害賠償請求などで認められた歯1本の金額などから、約100万円と試算されたのです。

少し引用させていただきます。

歯というのは0歳からの積み重ねなのです。1本の歯の価値は100万円といわれています。全部で28本で2800万円。小学校6年生でこの2800万円の定期預金を持たせて旅立たせる。これが大事なことです。

生涯にわたり歯を守るにはどうしたら良いか…?

3歳頃までに生えそろう乳歯20本にむし歯をつくらないようにします。次に6歳臼歯をむし歯にしない。少なくとも6歳臼歯を3年間は健全に保つ。そして12歳で生えそろった永久歯をむし歯ゼロにする。 
小児期の歯の健康は、生涯の歯の健康を土台なのです。

いかがでしたか?他にも知って得する内容が…。

◯ 1日5分から始めたガムトレーニングで胃ろうが外れて失った記憶が戻った。
◯ 歯周病治療で肝機能値が正常になった。
◯ 脳梗塞で寝たきりも口腔リハビリで言葉を取り戻す。
◯ 美味しい介護食
などなど役に立つ内容がたくさん紹介されています。
「入れ歯で若返った上野動物園のカバ」など、おもしろいコラムも載っていますので、ぜひ皆さん手にとってみてください。
1本の歯が100万円もすると思うと、もっと大事にしなければと思うのではないでしょうか?
ご高齢の患者さんがおっしゃいます。「新しい洋服もバッグもいらない、美味しいものが食べられるが今いちばん大切なんです。」


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2017年9月18日 (月)

「むし歯も歯周病も本来まれな疾患である」

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先日、オーラルケア代表の大竹喜一様よりグッペリメンバー宛に手紙が送られてきました。

【グッペリとは、グッバイペリオプロジェクトのことです。全国の有志歯科衛生士が歯周病予防に必要不可欠な「フロスによる歯ぐきケアを広める活動をしています。】ペリオ:歯周病

手紙には、ある記念パーティーに出席されたお話が…。そこでひときわ話題に挙がっていたのが8020運動のことだったそうです。

8020運動とは「80歳で20本の歯を残そう」というもので、20本は、自分の歯で食べられるために必要な歯の数とされています。

現在、8020の達成率は51.2%、平成元年の発足当時はわずか7%、確かにかなりの上昇率ですね。

厚生労働省の役員や歯科医師会幹部が「大変な成功を収めている。」と誇らしげに話していたそうです。

しかし、逆にいえば8本の永久歯を失っている状態ともいえます。
(永久歯が全て揃っていれば28本です。―親知らずを除く。)

失われていくのは重に奥歯からで、噛むためにとても重要な歯である大臼歯から失っているという現実があります。大臼歯を失えば硬い物が噛みづらくなります。

手紙にはこのようなことも書かれていました。

***むし歯や歯周病が細菌感染症であるということは言うまでもありません。リスク部位から細菌によるバイオフィルムを毎日「破壊」「除去」しなければならない。つまり、何回歯ブラシで磨こうが、どんな高級な電動歯ブラシを使おうが、リスクの高い隣接面からバイオフィルムが除去できない限り何も意味がないのです。***

フロスの元祖パームリーバス法のバス先生Floss or dieコルってなあに?のところでもフロスの重要性を紹介させていただきました。

それなのになぜか高級な歯ブラシや電動歯ブラシのPRばかり。疾患の原因を除去することができる「フロス」の役割とその意味が無視され続けているのには何か理由があるのでしょうか?***

本当にそうですね。フロスのCMは、あまり見かけませんね。

医療ジャーナリスト岩澤倫彦さん のところで特集された記事でも、同様のことが記されています。

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***日本人の98%が「老いると歯はなくなると思っています(メディカルドクターでも、95%の人が…)。これは、長い生活習慣の中に根付いた迷信です。その「歳をとると歯がなくなる」という社会通念に対し、ぜひグッペリメンバーのあなたから正しい知識を周りの人へこれからも伝え続けてください。むし歯も歯周病も細菌感染症であることを。そして、正しくフロスを使ってすべての歯面から細菌によるバイオフィルムを除去することで、生涯にわたって健康で美しい歯が守られることを。」***とありました。

この手紙を読ませていただいて、なんだかちょっと感動してしまいました。
日本人の歯を守ろうとされているのだなあと感じました。

「フロスケア」は歯を守るだけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。
私たち歯科衛生士の予防指導が、その一助になればいいなと思います。

追伸にはこう記されていました。

ワシントン大学歯周病学教室のペイジ教授はこう言いました。
「むし歯も歯周病も、まれな疾患である」
病因論があきらかになっているからこその宣言です。

むし歯も歯周病も予防することができることを示す名言ですね。

フロスをまだ使っていない方は、ぜひ今からでも使われてみてはいかがでしょうか!
フロスはどれも同じではありません。自分に合った一番使いやすいフロスを探してみてください。
どんなフロスを使ったらいいかわからない方は、このフロスを使ってみてください。

水分を含むと繊維が膨らみ、プラークを一度ですみずみまでからめとります。
歯肉にやさしく、歯ぐきを傷つける心配がありません。とても使いやすいフロスです。

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2016年11月13日 (日)

歯医者が怖い人の克服方法

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幼いころ、チョコレートやキャンディーが大好きだった私の口の中には、虫歯がたくさんありました。

予防のために歯医者へ行く人なんてほとんどいない昭和40~50年代、歯医者は“歯が痛くなってから行く”ものだと固く信じていました。

甘いもの好きな私は、歯が痛くなると大嫌いな歯医者へ行かなければなりません。

最寄り駅からすぐ近くの歯医者さん。狭い待合室では、いつもたくさんの人が待っていました。

待っている間中の憂鬱と、治療への恐怖!bearing
治療中は、いつ凄まじい痛みがくるのかと身を硬くし我慢するしかありませんでした。

今と違い、金属製の機械や道具がたくさん並んでいて、台の上には炎がメラメラしています。(覚えてる方いますか~coldsweats01?)

「あの尖ったのと炎は使わないで~!」と幼い私は祈っていました。

歯医者の先生や、そばにいた(補助の)おばさんとの会話なんてありませんでした。

当然、予防の話などは皆無。ただ、その場限りの処置をするだけの場所でした。

予防歯科の先進国であるスウェーデンのように、予防とメインテナンスを教えてくれていたらどんなに良かっただろうと考えます。

現在は多少進歩しましたが、いまだに治療のみの歯医者がほとんど。それが日本の歯科の現実です。

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私の勤める歯科医院の院長、市川光大先生の幼いころのエピソードです。

『私は小さいころに歯科医院で、とてもつらい思いをしました。
それは、先生に「痛い、痛い」と訴えても、「痛くない!」と怒鳴られてしまったんです。
今でもその声をはっきり覚えていますよ。
当時の歯科治療は全般的にそんな荒っぽい感じでしたね。
しかし、そうした記憶は強く残って、私なら患者さんをそんな気持ちにさせたくないと考えました。
当院で患者さんの立場にたって診療をするのは、私が子どものころから思い続けてきたことなんです。』 (ドクターファイルに掲載された記事より)

「痛い」と訴えているのに、「痛くない!」と怒鳴り、ムリやり治療を続けるなんて、なんて思いやりのない歯医者なんでしょうね。

私たちはそんな苦い経験を味わっているので、来院される患者さんにはそんな嫌な思いはさせたくないと考えているのです。

この度、コラムラテさんから依頼を受け、歯医者で怖い思いや嫌な思いをして、歯科恐怖症になっている方に向けてコラムを書かせていただきました。

歯医者が怖い!歯科恐怖症の克服方法  heart01こちらも是非ご覧ください。
 
 


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2016年9月12日 (月)

よく噛むことで得られる8大効果

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食べ物はよく噛むことで、歯やからだにとても良い効果があるのは皆さんご存知ですよね。

さて、今回は学校食事研究会が考案した良く噛むことで得られる8大効果をうたったおもしろい標語を紹介させていただきます。

『ひみこのはがいーぜ』

なぜ卑弥呼?と不思議に思いましたが…その理由は、

引用:弥生時代の卑弥呼の食事は噛む回数が現代の食事の6倍だったそうです。

おそらくひみこはよい歯や歯ぐきをしていたという想定から、「ひみこのはがいーぜ」というキャッチフレーズは生まれました。

よく噛むとなぜよいか、子どもたちに覚えてもらい、もっとよく噛まなければと思ってもらえるようにとの願いが込められています。

肥満の予防
よく噛まないと早食いになり、満腹感を得るには過食となり肥満につながります。
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。
ひと口で30回以上がいいそうですよ!

味覚の発達
よく噛むことで食べ物が持つ特有の味がわかり味覚が発達します。
食べ物の味はまず唾液に溶け出し、それを味蕾が感知することによって初めて味の情報が脳に伝わるのだそうですよ!

言葉を正しく発音
よく噛むことで顎が発達し、歯並びも良くなり言葉を正しく発音できるようになります。
歯並びがキレイかどうかは、心の健康にもかかわってくるようですよ!

脳の発達
よく噛むことで脳に流れる血液の量が増えて脳細胞の働きが活発化します。
子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防に役立ちます。
顎の開閉が脳に酸素と栄養を送りこむんですって!

歯の病気予防
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中を清潔にします。
唾液はむし歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、細菌感染を防いだりしてむし歯や歯周病を防ぎます。
だ液にはカルシウムやリンなどのミネラルがたくさん含まれているんですよ!

がん予防
よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれています。
発がん物質は唾液に30秒つけておくと毒消しの効果があるそうですよ!

胃腸快調
よく噛むと唾液が出て消化酵素がたくさん出ます。
噛む運動は消化吸収を良くし、噛んだ刺激は脳から胃に伝えられ胃の働きを助けます。 唾液には、デンプンを分解する酵素があるんですね!

全力投球
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたい時に、丈夫な歯がなければ力が出ません。あらゆる場面で全力投球するためには健康な歯が必要です。
入れ歯をするとバランス感覚が整い高齢者の転倒予防に効果があるそうですよ!

『よく噛む8大効用 ひみこのはがいーぜ』
↑上記のポスターはこちらのホームページよりダウンロードできますよ!

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よく噛むには歯や顎のコンディションが整っていなければ思うようにはいきません。

虫歯で歯が痛くても、歯周病で歯がぐらついていてもよく噛むなんてできませんね。

また、顎関節症でアゴが痛くても良く噛めません。私は顎関節症の専門医院にいますので毎日そのような方々とお会いします。

よく噛むためには虫歯、歯周病、顎関節症の予防や治療をきちんと行いましょう。

よく噛むことでたくさんのメリットがあるということを常に意識して、感謝して美味しくいただくことがとても大切ですね!


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2016年7月 1日 (金)

SRP時の出血を患者さんにどう説明するか?

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歯科衛生士のまさえさんから「SRP時の出血はどう説明されていますか?そのときの出血を嫌がる方結構いまして。」という質問をいただきました。

今回は、このご質問に対する私なりのアドバイスを記事にしてみたいと思います。shine

SRP前の歯周ポケット内では、プラークの毒素や好中球の酵素によって炎症反応が起こり、血管は拡張・充血しています。

下野先生曰く「胃潰瘍といっしょで、上皮が潰瘍を起こしている状態です!」

そこへ鋭利な器具を挿入すれば出血するのは当然です。

そこでSRPを行うタイミングですが、患者さんのプラークコントロールが上達し、辺縁歯肉の炎症のコントロールができてから!というのを大前提にしています。

辺縁歯肉の炎症がなければ出血量は半減します。

たまに「前の歯医者さんの歯石取りでは、毎回だらけになってとても嫌だった。」という話をされる方がいます。やっぱりを見るのは誰でも嫌だと思います。

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私はプラークコントロール(PC)が悪ければ原則SRPは行いません。セルフケアは歯周治療において極めて重要であるからです。

PCが悪い場合は再度モチベーションを与え、TBIを行います。

それでもダメな場合は超音波ペリオチップでのバイオフィルムの除去を行います。

ただし、ご高齢の方やご病気等でプラークコントロールが難しい方へは、1~3ヶ月ごとに超音波やハンドスケーラー(キュレット)でのポケット内のデブライドメントを行っています。

※デブライドメント:歯肉縁下の細菌性プラーク・歯石・汚染歯根面・炎症性肉芽組織などを除去すること。

治療の際はなるべく痛くないよう、怖くないよう、苦痛のないように心がけています。

SRP時は必ずシャープニングされた切れ味の良いキュレットスケーラーを使い、なるべく歯肉を傷つけない角度で操作をすることによって出血量は抑えられます。

多少の出血は付きものですが、この際のは患者さんになるべく見せないよう洗浄・吸引してから口をゆすいでいただいています。

私たちは血に慣れていますが、患者さんは決してそうではないと思いますので。(特に男性は血を怖がりますよねcoldsweats01)

ですので、私はSRP時の出血を患者さんに説明したことはほとんどありません。confident

もし説明するとしたら、「今、歯ぐきの内側は弱っているので血が出やすいです。うっ血していた血が出るので中の環境は良くなります。」という感じですかね~。いかがですか?

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ちなみに私のSRPの手順ですが、

まず超音波のペリオチップでポケット内の洗浄と大まかな除石を行います。

次にWHOのプローブで縁下歯石を探りながらキュレットで除石と根面の滑沢化を図ります。

仕上げに再度ペリオチップで洗浄します。

SRPは4mm以上を有する部位のみに行います。
5mm以内はほとんど無麻酔で、6mm以上で痛みがある場合は麻酔下で行っています。

おすすめの書籍です。

エビデンスに基づく歯科医学的な情報を用いて、患者とのコミュニケーションを図るための必読書。
とても解りやすく書かれています。

下野正基先生の『やさしい治癒のしくみとはたらき』

更に深く追求したい方におすすめです。とても勉強になります。

安藤 修先生の『裏づけのある歯周再生療法』

裏づけのある歯周再生療法―原理、原則に基づいた臨床のために

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shine他の歯科衛生士さんで「SRP、私はこんなふうにしています!」というのがあれば是非コメントしてください!お願いいたします。


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2016年6月11日 (土)

タフトくらぶに掲載されました!

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オーラルケアさん発行の冊子「タフトくらぶ」に「歯周病を予防しようblog」の記事が掲載されました

「タフトくらぶ」は予防歯科に情熱をもって取り組むDHが集まる、国内最大規模のDHネットワークなんですって。※DH  Dental Hygienist 歯科衛生士のことです。

歯科衛生士:Dental Hygienist(デンタル ハイジニスト)の語源は?

ハイジア(Υγιεια:ヒュギエイア)とはギリシャ神話の「健康の女神」のことです。    つまりデンタルハイジニストとは「歯の健康を守る女神」のことです。(引用) 
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医院で働くDHの仕事ぶりや予防の最新情報が得られますよ。

年10回、歯科衛生士限定で送ってくださるこの冊子をいつも楽しみに拝見しています。

待合室に置いてある歯科医院さんもあると思いますので、よかったら読んでみてください。happy01

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文字がぼけててすみませんhappy02


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2016年1月29日 (金)

歯とからだの健康を守る『歯科栄養学』②

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診療室では歯や歯ぐきを診るのはもちろんですが、口の中の粘膜も注意して診る必要があります。

前回冒頭の毎食おにぎりだけの人はビタミン不足による地図状舌がみられましたよ。

 

では『歯科栄養学』①のつづきです。

歯を守る栄養学と全身の健康
―世界保健機関(WHO)の紀要から
より

『口腔粘膜疾患の予防』

舌炎,口唇炎と口角炎にはビタミンB群の欠乏が関与している。

極端な低栄養状態になると、化膿菌と腐敗菌の混合感染で重症の口内炎が起きる。
放置すると歯肉や口角から壊疽に陥る。(壊疽性口内炎)

野菜と果物の摂取が口腔がんのリスクを下げることが報告されている。

『酸蝕症』

クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、蓚酸および炭酸など食品や飲料中の酸は、酸蝕症の危険因子である。

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ビールもワインも飲みすぎは歯によくないんですね~beer

『糖類』

砂糖を含む糖類の単独での摂取は、肥満とう蝕のリスク因子である。
WHOでは糖類は総エネルギー量の5%以下にすることを推奨している。

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『その他』

チーズと牛乳はカルシウムとカゼインが含まれており、う蝕(むし歯)の予防因子である。

全粒穀物、ピーナッツ、チューインガム(ノンシュガー)は唾液流量を増加させるので、う蝕の予防因子である。

ビタミンA,ビタミンD及びタンパク質の欠乏は、エナメル質減形成と唾液腺萎縮を伴う。その結果としてう蝕発症の危険因子となる。

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偏食をしないこととタンパク質・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂ることがいかに大切か…。好きなものばかり食べていてはいけませんね。

歯とからだの健康を守るために気をつけてくださいね。apple


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2016年1月27日 (水)

歯とからだの健康を守る『歯科栄養学』①

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「おやつは、羊かん丸ごと1本。食事は三食とも、おにぎりや菓子パン。」wobbly

初めて勤めた歯科医院では、予防歯科にて栄養指導も行っていました。

栄養士の資格を持つ歯科助手が何人かいたので、1人の患者さんに数回にわたり栄養指導をしてもらいました。

食事日記をつけていただくのですが、拝見するとたまにびっくりする内容の食事をされている方をみかけます。

冒頭の、「おやつは羊かんを丸ごと1本。食事は3食ともおにぎりや菓子パン。」などです。

そのような食事をつづけていると、やはり全身の健康と、むし歯や歯周病への影響が心配されます。

そこで今回は、歯とからだの健康を守る『歯科栄養学』についてお伝えしたいと思います。

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鶴見大学歯学部の花田信弘教授がまとめられた、

歯を守る栄養学と全身の健康
―世界保健機関(WHO)の紀要から―
より抜粋させていただきました。

歯を守る栄養学の基本は三大あるいは五大栄養素に対する知識を得て,タンパク質低栄養に陥らないことである。と述べられています。

 

『タンパク質低栄養と歯周病』

タンパク質は唾液やさまざまな免疫機構の主成分である。

タンパク質低栄養に陥ると唾液や免疫系の機能不全により、生体と細菌の※シンバイオーシが維持できなくなる。

そのためPg菌などの歯周病菌が増殖する環境になり、歯周病が発症するリスクが高くなると考えられる。


(※シンバイオーシスとは、異なった種類の生物が互いに何らかの利益を交換し合う生活。)

タンパク質が足りないと共生バランスがくずれてしまうのですね libra

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歯周病の予防と抗酸化物質』

歯周病は、歯周病菌の炎症刺激により過剰に分泌される好中球の活性酸素が歯周組織に与える酸化ストレスにより、組織破壊が生じる疾患である。

酸化ストレスに生体が耐えるには抗酸化物質が必要である。

抗酸化物質

1.生体内抗酸化酵素…加齢とともに減少

2.ビタミン・ミネラル…食事により十分摂取する必要がある

3.ポリフェノール…食事により十分摂取する必要がある

ビタミンの中で、ビタミンB12、ナイアシン、ビタミンC、葉酸、βカロチン、ビタミンE、コエンザイムQ10は抗酸化物質として活性酸素の消去に関与している。

ミネラル中では、セレンや亜鉛、銅、マンガン、クロムなどの微量金属が必要である。

ポリフェノールなどのファイトケミカルは植物由来の抗酸化物質のことである。

抗酸化物質の日常的な摂取は、酸化ストレスから歯周組織を守るために必要である。
このように抗酸化物質は歯周病の予防因子といえる。

日頃から意識して摂り入れたいものですね applerestaurant

歯とからだの健康を守る『歯科栄養学』②へつづく


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